メンバーの喜びを
「見える化・実感化」する

仲人おばさんといえば、顔が広くて、たくさんの人とのネットワークを持ち、結婚適齢期のご子息・お嬢様がいるところに出入りしては、お見合いの斡旋をする存在です。

そこに目をつけてIBJを創業した代表取締役社長の石坂茂さんは、仲人さんたちがさらにネットワークを広げられるよう、「結婚したい人たちのデータベース」を提供しました。全国の仲人さんの知恵を借り、使いやすさにこだわったツールを開発したことで、「仲人おばさん」の仲介による婚約率が一気に高まりました。

もちろん、データベースという道具だけでは不十分です。IBJでは、地域ごとに仲人さんが集まる会を定期開催したり、仲人さんにさまざまなアドバイスをするコーディネータを派遣したりと、さまざまなサポートをしています。

兎にも角にも、仲人さんの成功の鍵は、コミュニケーションです。IBJでは、先輩仲人さんの知恵をもとに、コミュケーション力の磨き方のテキストをつくるなど、これから結婚カウンセラーを目指そうとする人たちの養成もしています。

そこに興味を持って集まるのは、若者だけではなく、年配の方も多いとのこと。年齢を問わず、働くことの最大の喜びは、人の役に立つこと、人に喜んでもらうことです。これまで地域で仲人役をしてきた、人のお世話をするのが大好きな年配の方々に、さらに生き生きと働くチャンスをIBJは提供しているのです。

分業のしっかりした大きな組織に入ってしまうと、こうした喜びを実感する機会が少なくなりがちです。メンバーが感じるべき喜びを、いかに見える化・実感化するかも、リーダーが考えるべきことなのです。

(第30回へつづく・4月8日公開予定)