もちろん後者です。

 倉庫やバックヤードがキレイだと、それだけで、「発送ミスや物流事故がなさそう」という印象を与えることができます。

 事実、関通では、約3万点の商品を扱っている現場の発送ミスが「1年間ゼロ」だったことがあります。3万アイテムの在庫管理をミスなく行えるのは、「商品の向きをそろえて」いるからです。

 倉庫のショールーム化を可能にしているのが、「環境整備」という活動です。

 関通では、武蔵野が行っている「環境整備」をそのまま導入して、倉庫の改善に努めてきました。

 環境整備とは、「仕事をやりやすくする環境を整えて備える」ための取り組みです(環境整備の具体的な取り組みについては、拙著『【決定版】朝一番の掃除で、あなたの会社が儲かる!』〈ダイヤモンド社〉をご覧ください)。

【関通の取り組みの一例】

 ●向きをそろえる
 最大4万アイテム11万ピースの在庫管理を在庫差異なしに行うために、「向きをそろえる活動」を徹底している。ひとつひとつ箱を確認し、向きをそろえることで、ミスが起きないようにする。

 ●必要なものを必要なときにすぐに取り出せるようにする
 決まった保管方法を取るのではなく、商品特性に応じた保管方法を考え、必要なときに必要なものをすぐに取り出せる環境をつくっている。

 ●徹底した表示で「見える化」を行う
 今日きたスタッフでもすぐに同じ品質の仕事ができるよう、「作業手順」「やってはならないこと」「場所の表示」などを徹底して行う。

 ●環境美化
 大切な商品を預かっていることを自覚して、ほこり取りを現場のあらゆる場所に設置。
 差別化の第一歩は、「目につきやすいところ」の整理整頓から始まります。これは、製造業にもサービス業にも物流業にも共通する原理原則です。