そういう場合は、「ブック・ストッパー」(写真)を利用する。

分厚い本でも開いたままホールドできる「ブック・ストッパー」

 写真の製品のメーカーはトモエ算盤である。これはどこで買ったのか記憶にないが、800円から900円くらい。クリップに重りを付けたアイデアがいい。めくってもすぐに元に戻ろうとする分厚い本も、この道具でしっかり押さえられ、読書の効率が飛躍的に上がる。これも文房具売り場では見たことがないが、通販で簡単に買える。

 本をホールドし、ページを押さえておけるこれらの道具を使うと、体に変な角度の負担をかけないですむ。キーボードやタブレットを前にして座ると、本はその横に開き、ヒジで押さえたり、片手で押し付けることになるから上半身が傾く。本を膝に置くと猫背になり、脊椎や頸椎に余計な力がかかり、首痛や頭痛の原因となる。

 本や紙の資料を立てて置けると、ディスプレーと同じ距離と角度で読むことができるので、目も疲れない。脳が焦点距離を一定にして、ディスプレーと本を同時に見ることができるからだ。格段に読書とライティングが快適になる。

本とグッズを持ち歩くカバンは
リュックサックに限る

 これらの道具は「文房具」だが、文房具売り場ではほとんどお目にかかれない。「書見台」を置いている文房具店はある。「書見台」は書斎の道具だからだろう。

 そもそも「文房具」の語源は古代中国の「文房四宝(ぶんぼうしほう)」で、「文房」とは書斎のことだ。「四宝」は「硯・墨・筆・紙(けん・ぼく・ひつ・し)」である。

 文房四宝がそろい始めたのは漢代(紀元前3世紀以降)だそうだ。その後は長い時を経て唐代(7世紀以降)には美術工芸品の対象となっていく(北畠雙耳、北畠五鼎『文房四宝入門』里文出版、2006による)。

 文房(書斎)の宝だから、室内の道具が「文房具」の主力なのだ。ノートパソコンの登場は1989年で、90年代以降は小型軽量化が進み、2010年代に入るとタブレットPCが普及し、PCを携帯する人が増えた。80年代以前は、本以外にノートとペンの携行で済んでいたが、PCが中心になると、ここで紹介した道具がないと姿勢が傾き、読書が体調を悪化させるのである

 もちろん、電車の中などで単に本を読んでいるだけならば道具はいらないが、ちょっとPCでメモしたり、ネットで検索しながら読書する場合、携帯読書グッズが必ず役に立つのである。