二つめの見方は、BSは期末日の「プラスの財産」と「マイナスの財産」を表すというものです。プラスとマイナスがあるということは、それらを差し引いた「純資産」も示すことになります。左側にはプラスの財産(資産)が、右側にはマイナスの財産(負債)と差額(純資産)が示されます。

 負債には、資産の場合と同じように、大きく分けて「流動負債」と「固定負債」があります。流動負債は1年以内に支払わなければならない負債のことで、支払手形、買掛金、短期借入金、未払金などです。固定負債は1年以上たってから返済期限がくる負債のことで、社債、長期借入金、退職給付引当金などです。

 純資産は、先ほど説明した「自己資本」と同じ意味です。株主から出資された資本金と資本剰余金、毎年生みだされた利益が貯まった利益剰余金などがここに記されています。

 このように二つの意味を持つBSの科目をあらためて見つめ直すと、親近感がわいてきませんか。何度も見直しているうちに、重要な科目のほうから近寄ってくる気がするものです。植物を育てたり、ペットとつきあうのと同じだと思います。

(本連載は毎週金曜日更新。次回は5月20日(金)公開予定です)