自分を「ワーキングクラスで貧困層に近い」と言う彼だが、サンダースが提唱する、大学に無料で進学できるシステムには反対だという。

「自分は大学を出ていない。貧しくて教育どころではなかった。それでも、タダで高等教育を受けられると思うほど"他力本願"じゃない。自分の娘の将来のためにも、トランプのような実績のある実業家に国の舵を取ってほしい。自分が有色人種だからって、有色人種の大統領を無条件で支持するわけじゃないんだ」

メキシコ国旗を掲げ、首には星条旗を巻くエヴァンと友人たち

 その近くでメキシコ国旗を高々と掲げているのが、メキシコ系米国人のエヴァン・ガルシア(21)だ。

 彼の両親は、メキシコから米国に移民して出会い、結婚。ガルシアは、1994年にオレンジ郡のガーデングローブで生まれ育った生粋の「OCっ子」だと言う。「自分は米国人であり、メキシコとも深いつながりがある。トランプ支持者が自分の地元にこんなに大勢いることに驚くし、身の危険も感じて怖いけれど、この旗を持ってここに立たなければと思った」と言う。

「米国の政治になぜメキシコ国旗が関係あるんだ」と、何人ものトランプ支持者からガルシアに声がかかる。その度ごとに微笑んで、「自分のルーツだから」と答える。ガルシアが支持するのはサンダースだ。企業からの献金ではなく、人々からの献金で選挙活動を支えているサンダースの姿勢に共鳴するからだという。

「トランプを阻止する
ためなら何でもやる」

 彼の隣にいた同じメキシコ系米国人の友人は「ヒラリーに投票する」と言った。ガルシアは予備選は必ずサンダースに投票するが、もし本選でクリントンが指名候補になれば、彼女に投票することは全く問題ないと語る。「トランプを阻止するためなら、何でもやる」と断言した。

 8500人が入場した会場で、トランプの演説が始まったようだ。陽が落ち、周囲が暗くなると同時に、会場に入れなかったトランプ支持者たちは諦めて帰り始めた。

ヒラリー支持者かと思いきや、Tシャツをよく見ると「プレジデント」ではなく「プリズン(刑務所)」という単語が

「ヒラリーを刑務所に」

 そんな文字が書かれたTシャツを着た男性が、LAからやって来たへクター・リラだ。筆者が日本人だとわかると、彼はこう言った。

「日本の厳しい移民政策は素晴らしい。日本は経済大国なのに、シリア難民をごく少数しか国内に受け入れてないことで有名だ。一方、オバマは18歳から35歳のシリア人男性を大量に難民として受け入れてしまった。その中にIS(イスラム国)のテロリストが混じっている可能性が高い。いつ次のテロが起きてもおかしくないんだ」

 リラと一緒にトランプ応援にやってきたキャロル・ロメロは、トランプが女性蔑視だと批判されるのはおかしいと語った。