本連載は本来、「一流と二流の間にあるもの」を語るコラムだったのだが、全6回シリーズの最終回で取り上げたいのは、とりもなおさず「正直さと信頼の大切さ」を最重要視する教育・文化風土である。

 以下では、私の新著『一流の育て方~ビジネスでも勉強でもずば抜けて成功する子供を育てる』から、最終章の「信頼の大切さを教える」をテーマにした箇所から、リーダーシップあふれるみなさんがどのような家庭教育を受けているのか、実際に本書の中で取り上げる200人を超える「エリート家庭教育アンケート」の中から、該当する箇所を一部抜き出して、一緒に覗いてみたい。

信頼の大切さを教えられる子ども達

【アンケート結果】
●親からの信頼に応えようと自然に頑張った
「信じているから、好きにしなさい」と口癖のように言われました。「好きにしなさい」だけだと放ったらかされている気になったかもしれませんが、「信じているから」といつも強調されたので、信頼に応えようと頑張りました。(慶應義塾大学総合政策学部Kさん)

●子どもを信頼してくれた
私の親は決して私の進路には口を挟まず、私を信頼して任せてくれました。それは私が自律的に物事を考えるようになった大きな要因であると思います。信頼されていると、親の期待を裏切れないという気持ちになります。(東京大学経済学部Sさん)

●自由にしてくれたので、かえって努力した
 親は私に対して「自由」と「信頼」を与えてくれました。親が私を信用してくれているということが伝わったので、自分も自慢の息子でありたいと望むようになりました。勉強をやれとも言われなかったので、自分から勉強をして、信頼に恥じない息子になれるよう努力しました。(東京大学大学院Tさん)

 ここで、優れた家庭教育を受けている子どもたちが、幼少期より信頼を受け、信頼の大切さを教えられていることが見て取れる。子どものころから信頼を受け、その信頼にこたえようという好循環が若いころにできていればよいのだが、残念ながらそうなっていない政治家および、都知事が多すぎる。

 さしずめ子どもの時に政治家の金銭スキャンダル、公金不正使用を見ながら育ち、「税金を搾り取られる方から、搾り取る方に回りたい」というインスピレーションでも感じたのであろうか。有権者がいったん信頼したら、それに答えるのではなく、かなり高い確率で公金不正使用と苦しい釈明会見がセットでついてくる。

 その昔、私が尊敬するレーガン大統領は政府が肥大化し、税金を納める人より使う人が増えると経済が疲弊すると言っていたが、日本の現状を一言でいえば、まさにそうなっている。税金を納める人は自分のお金なので大切に必要なもの、優先順位の高いものに支出するが、税金を使う人は自分に便益を供与してくる人やサービスに、他人の金を浪費するのだ。