今年2月から携帯3キャリアによる「実質ゼロ円」の端末販売方式が廃止された。韓国ではすでに、2014年から法律によって実質無料販売が規制されている。法施行から1年8ヵ月。格安携帯へのユーザー流出に加えて、新たな懸念がユーザーや業界の間からも噴出し始めた。

韓国版「実質ゼロ円」は
法律によって規制されている

pixta_14091027韓国でも携帯電話の実質無料販売が規制された後、SIMフリーなど格安携帯にユーザーが流出し続けている
※写真はイメージ pixta_14091027

 日本でも2016年2月から、大手3キャリアが携帯端末の「実質ゼロ円」販売方式を廃止した。以降、スマートフォンの新規販売台数は激減し、ユーザーがSIMフリー端末などに流れているようだ。

 韓国では2014年10月に「端末機流通構造改善法(端通法)」が施行され、法律によって日本より一足先に実質無料の端末販売が禁じられた。それから1年8カ月経った今でも、ユーザーの不満は後を絶たない。

 端通法の狙いは、大きく3つある。

(1)携帯端末の出荷価格を高く設定してから補助金を支給する仕組みを抑制し、最初から適正な価格で販売する

(2)キャリアの乗り換えや新規加入を優遇し、長期加入者の機種変更には端末購入補助金を付けないといった差を付けるマーケティングをやめる

(3)端末の流通構造を明確にする

 端通法によって、ユーザーがもらえる購入補助金は、キャリアの乗り換えでも新規加入でも機種変更でも同じく最大33万ウォン(5月18日時点で約3万円)になった。

 キャリアは毎週自社のホームページに、端末の機種と加入条件ごとにいくら補助金を支払うのか告知しなければならない。ただし、代理店からの補助金も若干認められている他、発売から15カ月以上経過した古い機種の場合は、33万ウォン以上もらえるケースもある。