霊園規模は小型化する傾向はあったものの、事業型墓地そのものの開発はその後も続いた。2013年に開園された横浜市内の民間霊園だけでも、保土ヶ谷区、青葉区、旭区の霊園など、少なくとも合計3件がある。

 だが、開発されているわりに事業型墓地のニーズは高いとは言い切れないようだ。

 たとえば、「横浜市墓地に関する市民アンケート調査 報告書」(横浜市健康福祉局/2013年)によると、取得したい墓地の種類の第1位は、「横浜市営墓地」(46.2%)。これに対し、「公益法人墓地(財団法人が設置した墓地)」、つまり事業型墓地は1.8%とわずかにとどまっている。冒頭のような勧誘電話が増えるのもうなずける話かもしれない。

 東京都の消費生活相談窓口には「売り出し中の霊園墓地を勧める電話が自宅にひんぱんにあり、断っても別の石材店からも再三電話がある。妻が病気で入院しているときなので、電話に出ないわけにいかず、出るたびに不愉快になる。やめさせることはできないか(80代、男性 ※東京都消費生活相談窓口ホームページより抜粋)」といった悩みが寄せられている。

 また、一部だが、こうした墓の中には「○○寺の霊園です」と謳っているものの、実態は「名ばかり寺院墓地」というところもある。民間墓地の事業主は宗教・公益法人のみに限定されているため、業者が寺の名義を借りて工場跡地などを開発し、運営する、というタイプだ

 もちろんきちんと経営されていれば問題ないが、万が一、運営業者が経営破綻すればトラブルに巻き込まれかねない。たとえば、「墓地使用権の販売で一時的に儲けたが、参る人もなく墓が無縁化してしまい、開発コストを回収できない」などの場合だ。