なお、英国の結果の特徴は、EU評価の低さだけでなく、選んだ選択肢のうち「非常に」が「好ましい」にせよ「好ましくない」にせよ、特に多い点にもある。「好ましい」は10ヵ国中最大で、「好ましくない」もギリシャを除いて最大である。

 図には、英国については、昨年、一昨年の結果も示しておいたが、これは今年に入ってからの特色であることが分かる。すなわち、国民投票を前にして、国民の間でEU離脱が大議論となり、それぞれの見解について確信を深める人が多くなったことを示している。この結果、何と、「非常に好ましい」の割合だけ取れば英国は最もEUを好ましいと思っている国民ということになっていたのである。

 各国別の結果では英国よりフランスやギリシャの方がEU好感度が低いので、重債務国ゆえEU離脱は物理的に無理なギリシャは別にして、フランスで国民投票が行われれば、やはりEU離脱という結果となると予想される。しかしそう考えておいて本当に良いのだろうか。

EU好感度はストレートに
EU離脱につながるか?

 ピュー・リサーチセンター調査の中には、残念ながら、EU離脱について是か非かの設問はないが、EU好感度よりEU離脱との関連度の高い設問として、「EUの権限を各国に戻すべきか」が質問されている。この設問への回答結果を次に見てみよう。

図2 EUの権限は各国に戻すべきか(2016年春)

 EU好感度の低かった英国、フランス、ギリシャのうち、英国とギリシャでは、EU権限委譲派が6割以上と多くなっているが、フランスは、むしろ、権限委譲派は4割以下と10ヵ国の中でも少ない方となっている。逆に、フランスではEU権限強化派が34%と最も多くなっているのである。また、EU好感度では英国に次いで好感度が低かったスペインでは、委譲派は10ヵ国の中で最も少なくなっており、権限強化派がかなり多い。