万年塀といわれ、あちこちですでに斜めに傾いていることが多い塀。

すでに傾いている万年塀(地盤が固いといわれている地域)

板状に倒れてくるブロック塀

 すでに危険なブロック塀ですが、不思議なことに、防災を意識しない人には見えない、意識した人にだけ見えるミステリーゾーンになっています。防災講座後、昨日の道が今日は違って見えたと、話題になることが多いのです。あなたがもし「見える人」なら、まわりの人に聞いてみてください。世の中には「見えない人」の方が多いことに気づくでしょう。不思議ですね! この奇怪な心霊現象をマスコミがミステリー現象として、徹底取材してくれたらいいのになと思っています。

 ブロックは、1個10kgあります。ブロック塀を記事にするとき、イラストレーターが、1個ずつばらばらに落ちる図を書いてくださることが多かったのですが、最近は、机の上に置いた板チョコのように、板状で倒れる事を知っている人も増えてきました。10個×10段あれば1t、倒れてくるって事ですよね。

熊本地震で板状に倒れるブロック塀(益城町)

 でも、防災の本などでは、未だに「ブロック塀の近くにいたら、危ないので離れてください」と、のん気に書いているわけです。

 ですが、これは、都内の通学路を撮った写真です。

都内の通学路。両側にブロック塀が…

 両側ブロック塀に挟まれていますが…。こどもや車椅子の方、ゆっくりしか歩けない方、絶対逃げられませんよね。大人でも危ないかもしれません。

 熊本地震でも、みなさん、あっという間に体の自由がきかなくなったとおっしゃっています。直下で地震が起きれば、カタカタ揺れたり、「あ。地震だ」と思う余裕もなく、激震に襲われるのですから、逃げるなんて無理でしょう。

 実際、1978年宮城沖地震(震度5)では、死者28名中18名がブロック塀倒壊による犠牲者です。通学中の小学生もいました。熊本地震の熊本市でも、29歳の男性がブロック塀倒壊により命を落としています。残念でなりません。

 埼玉県で講演したとき、偶然、宮城沖地震で亡くなった小学生と同じ登校班だったという方が参加されていました。その方によると、亡くなったお子さんは、とても足が早い子で、地震のその時、一生懸命走って逃げようとしたとおっしゃっていました。

 逃げきれないのに、こどもに逃げろと指導するなんて、無責任極まりないと思います。大人が危険なブロック塀をなくさないとダメでしょう。