「わかっちゃいるけど、やめられない」のが、お酒の魔力

酒豪の筆者が、酒をやめて気づいた10のこと飲んでいなくても、飲み会を楽しめる

 自他共に認める酒豪で、「酒をやめるくらいなら、死んだほうがまし」とうそぶいていた筆者が、3ヵ月前に酒を断った。アルコールによって体を壊し、医者から断酒を説得されたためだ。

 基本的には365日、休みなく飲んでいた。休肝日という発想はなく、仕事がない日には昼間から飲んでいたことも度々だ。家系は酒飲みばかりで、同じく体を壊した親戚も多い。「お日様が沈むまでは、飲んではダメ」という母からの忠告も、上の空で聞いていた。

 そんな調子だったから、まさか自分が酒をやめられるなんて思ってもみなかった。というか、酒のない生活が、どういったものなのか想像もつかなかったのである。

 適度の飲酒は、コミュニケーションを円滑にするなどのメリットがある。しかし、過剰に飲み過ぎれば、筆者のように体を壊すリスクが高まるほか、問題行動を起こしたり、人間関係にひびが入ったりして、社会的信用を著しく損なう事態に発展することもある。

 ここ数年を思い返しただけでも、数々の悪行を犯してきた。財布をなくして一文無しになり、友人にお金を借りたこともあったし(そして、そのお金でまた酒を飲むわけだが)、記憶をなくして路上で寝ていたこともあったし、「絶対に言ってはならない暴言」を酒の勢いにまかせて口走ったこともある。連載のタイトルではないが、「めんどい人々」の一員になってしまっていたのだ。同じような心当たりがある人もいるのではないか。

 問題なのは、「わかっちゃいるけど、やめられない」ことだ。筆者が、まさにそうだった。

 しかし、今となってみれば「○○だから、絶対に無理」と言い訳にしていた理由のほとんどが、思い込みだったことがわかる。むしろ、酒を飲み続ける口実として、そう思い込もうとしていた節があるように感じる。まだ断酒して3ヵ月と日が浅いものの、酒をやめたくてもやめられない人のために、筆者が気づいた10のことを紹介していこう。

 酒をやめると、意外に良いことが多いのだ。筆者のようにドクターストップがかかるまでいかずとも、「そろそろ、酒を卒業したいな」と思っている人にも参考にしてほしい。

「酒をやめられない理由」のほとんどは思い込み

・飲んでいなくても、飲み会を楽しめる

 一番重要なことなので、真っ先に書いておきたい。このことが、最も驚いた発見だった。