経営×統計学

【文系でもできる】住まい探しからプレゼンまで人生を変えるエクセル統計術

スタッフ500人が必要
社内を説得する“奥の手”

 とはいえ、“予測”するには、自分の手で回帰分析ができるようにならないといけない。

 とても自分には無理だと諦めてしまうのは少し待ってほしい。確かに回帰式を導き出すことは、数学の授業の記憶などとっくに消えた文系ビジネスマンには厳しいかもしれない。しかし、そんな作業はパソコンがやってくれる。やり方さえ覚えてしまえば、じつはエクセルで誰でもカンタンにできてしまうのだ。

 その方法と最低限の注意点を図2‐8にまとめたので、ぜひ一度試してほしい。

 自分で回帰分析ができるようになったら、仕事でも活用しよう。マンションの事例を応用すれば、広告費をいくらかけたら自社製品がいくつ売れるのか、イベントに何人くらい人が集まるのかといったことだって“予測”することが可能だ。

 少し変わり種でいうと、企業の組織づくりといった事例にも活かすことができる。

 例えば、あなたが国内に新しい拠点をつくるプロジェクトを任されたとしよう。新拠点の総人員数は2000人。絶対に成功させたい。そして、そのためには2000人のうちの25%、500人は間接部門のスタッフが欲しい。

 しかし、社内からは「間接人員に500人なんて多過ぎるんじゃないか」という反対の声が早くもあがっている。どうやって説得すれば社内で承認を得られるのか……。

 そこで登場するのが回帰分析。2000人規模の拠点では、どれくらいの間接人員が妥当なのか、統計的に分析するのだ。

 まずは、他の国内拠点における総人員数と、それに占める間接人員の比率を洗い出す。そして、この二つのデータで回帰分析をすると、図2‐9ができあがった。

 こうした事例で特徴的なのは、回帰分析で出てきた線が直線ではなく、曲線ということだ。その理由は、いくら売上高が小さくても、ある程度の間接人員は必要なものなので、単純な比例関係にならないためだ。

 とはいえ、基本的な考え方は同じ。回帰分析によって、自社の拠点における総人員数と間接人員比率の関係がわかった。

 ここで、あなたが責任者を務めるプロジェクトの位置づけを確認すると、総人員数2000人の拠点では通常、間接人員比率が約27%、つまり約540人だということが“予測”できる。

 この裏付けさえあれば、あなたは自信を持って「むしろ500人という人数は、他の拠点よりも効率が高いくらいです」と言い切ることができるだろう。

 このように、ビジネスの現場で予算を獲得したい、提案を承認してもらいたいといったとき、統計分析を活用すれば、あなたの主張は一気に信頼性を増すのだ。

「経営×統計学」



週刊ダイヤモンド編集部


基礎から学ぶ統計学“最強”入門

大量のデータが溢れる現代社会では、様々な事象を数字で捉え、本質を導き出す統計学という手法や思考法が、ビジネスパーソンにとって必要不可欠なスキルとなる。勘や経験ではなく、データに基づいた正しい意思決定を下すことが重要だ。統計学の基本中の基本を、初心者にもわかり易く徹底解説する。

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