目の前の課題に集中することから開けてくる

 ステップ式成功到達法は、「目標は立てるべきではない」と教えます。一般常識では、目標がなければ何も始まらないし、進捗度合いを測ることもできません。目標がなければ軌道修正もできないと考えます。

 しかし、目標を立てると苦しくなることがあります。「達成期限までに何とかしなければ」と焦る気持ちも出てきますし、追い込まれるような気持ちになります。もしも期限が過ぎても目標に到達していなかったら「自分には無理なんだ」と落ち込んでしまうでしょう。そんな目標なら立てないほうがましです。

 斬新なアイデアや商品は、目前の課題に集中した結果です。たとえば、報告書を提出するという仕事があったとします。そのとき、ただ報告を書くだけではなく、いろいろとおもしろがって試してみましょう。報告書をペンで書かないとしたらどうなるだろう、重要なところを音声にしてファイルで送ったらどうなるだろう、他社はどうしているんだろう、そんなことを調べたり考えたり試したりしてみることです。そうすれば、新しいアイデアがどんどん出てきます。

 ただし、個人的には「目標は立ててはいけない」という意見に懐疑的です。大事なことは、目標を立てて、それに縛られないということではないでしょうか。目標はたまに眺める程度でいいですし、ころころと変わってもいいのです。

成功とは人真似をしないということ

 成功者の話を聞くと、あたかも成功には決まった道があるかのように思うことがあります。成功者のやり方を真似すれば成功するのだと勘違いするのです。

 しかし、小説を研究しても小説家にはなれないように、成功を研究しても成功者にはなれません。成功というのは人真似をしないということです。「これっ」と思ったアイデアが浮かんできたら、どんどん試してみることです。そうやって成功への道が開けていきます。

 成功者に近づこうとして資格をとりまくるのも無駄なことです。他人を凌駕する人材になろうとして、他人と同じことをしているからです。それでは、抜きんでることはできません。

 大事なことは、他人の真似をすることではなく「明日は今日と違う自分になる」ことなのです。