今回紹介する本から、いろいろ学ぶことができます。大事なことは、他人の真似をすることではなく「明日は今日と違う自分になる」ことなのです。
思考法から発想術、文章術、読書術、プレゼン術、図解術、交渉術、成功哲学まで、本当に使える仕事術を1冊に凝縮した新刊『ビジネススキル大全――2時間で学ぶ「成果を生み出す」全技術』より抜粋し、紹介していきます。

メールマガジンで大反響となったビジネス書

 実は、私も、仕事を楽しんでいない時期がありました。人間関係は最悪、会社の業績も下降気味、気持ちは不安感ばかり。そんなときに、『仕事は楽しいかね?』という本に出会いました。

 書評を発信するメールマガジンを始めたばかりのころです。この本のタイトルを見てドキッとしました。手に取って読んでみると「今の仕事を楽しむ」だけでなく、「起業するためのヒント」も詰まっていました。

 私のメールマガジンで、この本を紹介したところ、大きな反響がありました。リクルートの方から「大変参考になりました」と言われ、それをきっかけに書評のお仕事をいただきましたし、私がこの本を紹介したことで売上もかなりあがったそうです。出版社の方から、丁寧なお礼状をいただきました。

 この本がきっかけで、本の選球眼に自信がつきました。

人がやっていないことをおもしろがる

 私の知人のことです。外資系製薬会社勤務のMさん(32歳)は、いわゆる「意識高い系」と呼ばれる人でした。「君、それは気をつけたほうがいいよ」と啓蒙的な話し方をしますし、グループディスカッションになるとすぐに中心的な存在になろうとして、自分の意見を一方的に主張する感じの人です。

 人生の目標もしっかりと立てていました。それを実現するための計画も詳細に立てています。自分の人生をきちんと管理することこそ、成功の秘訣だと考えていました。そして、次々と資格を取得しスキルアップに余念がありません。はたから見ていると、ちょっと張り切りすぎなんじゃないかと思うほどでした。

 あるとき、この本と出会って、Mさんはいくら努力して資格をとっても、資格を持っている多くの人のなかに埋もれてしまうことに気づいたのです。こんなことをやっても、望む自分に近づけない、時間が過ぎていくだけだ、むしろ人がやっていないことを、おもしろがっていろいろと試すほうが人生、楽しいんじゃないかと思いました。

 その後、MさんはNPO法人に参加して、楽しい人生を送っています。