上司と部下との関係で困っているという話はよく聞きます。双方に言い分はあるのでしょうが、たった1分でいいので、3つの時間をとれば、部下たちは見違えるようになります。
思考法から発想術、文章術、読書術、プレゼン術、図解術、交渉術、成功哲学まで、本当に使える仕事術を1冊に凝縮した新刊『ビジネススキル大全――2時間で学ぶ「成果を生み出す」全技術』より抜粋し、紹介していきます。

部下が期待外れだと思っていませんか?

 部下を上手にマネジメントできたらどんなにいいでしょう。しかも、指示を出す時間が短時間で済んだらなおのこといいですよね。

 毎日、部下たちはイキイキと働き、ドンドン結果を出していき、必要なスキルも部下が自主的に学び、上司を追い越す勢いで成長していきます。いつのまにか、精鋭部隊が出来上がり、どんなに困難な仕事でもチームで乗り越えていくのです。

 苦しいことがあっても部下たちは誰も逃げ出しません。むしろ、苦難に喜んで立ち向かうのです。そして、1つのプロジェクトをやり終えたとき、部下も上司も一緒になって抱き合い、涙を流す、そんなチームができたら最高ですよね。

 しかし、現実は、そう簡単ではありません。

 多くの会社で上司は「部下が期待外れだ」と言っています。そして、部下は「上司に評価されていない」と思っています。つまり、双方の期待が伝わっていないのです。

コミュニケーションを密にとっていたら回避できた問題

 こんな話があります。ある教育会社でのことです。その会社は、同業他社で実績をあげた優秀な人物をヘッドハンティングし、役員として採用しました。そして、1つの事業部を任せたのです。

 しかし、しばらくたって本人が不満を漏らすようになります。「事業部の業績を上げたのに、ちっとも評価されない」という不満です。一方、経営者は「私の後継者として採用したのに、事業部のことしか考えられない、視野の狭い奴だ」と評価していました。

 結局、彼は解任されたのです。

 双方がもう少しコミュニケーションを密にとっていたら回避できた問題です。

 こうした問題が、多くの職場で頻発しているのではないでしょうか。