世界の女子プロテニスを統括するWTA(女子テニス協会)ツアーのひとつ「HPジャパン女子オープン(大阪)」のシングルスでクルム伊達公子が準優勝の結果を残した。

 タマリネ(タイ)との決勝は伊達に記録がかかっていることで注目された。WTAツアー最年長優勝記録の更新である。世界記録はビリー・ジーン・キング(米)が持つ39歳7ヵ月。伊達は9月28日に40歳になっており、もしこの試合に勝っていれば、キングの記録を27年ぶりに更新することになった。

 今大会、伊達は準々決勝で世界ランク8位のストーサー(オーストラリア)、準決勝で同13位のピアー(イスラエル)を撃破。決勝の相手となったタマリネは94位で、56位の伊達からすれば格下。それだけに記録更新の期待が高まったが、ストーサー戦では2時間34分、ピアー戦では2時間58分のフルセットを戦った40歳にはスタミナが残っていなかった。加えて左足親指にできた血マメの影響もあったようで5-7、7-6、1-6で敗戦。記録更新はならなかった。

 だが、40歳でWTAツアーを勝ち抜き、準優勝すること自体凄いことである。そもそもテニスは数あるスポーツの中でも選手層が厚く、そのトップのWTAツアーで勝つのは並大抵のことではないのだ。

世界的に見て個人競技で
層が厚いのはゴルフとテニス

 世界の各スポーツの競技人口は、統括する競技団体が数字を発表していないため正確には判らないが、一説によると1位バスケットボール(約4億5000万人)、2位サッカー(約2億4000万人)、3位クリケット(不明)で、その次あたりにバレーボール、陸上競技、卓球、ゴルフ、テニスが位置するらしい。

 我々日本人からすれば3位にほとんど知らないクリケットがくるのは意外だが、これは人口が多いインドやパキスタンで盛んなせいだという。また、卓球も人口が多い中国が競技人口に貢献しているようだ。競技によって盛んな国に偏りがあるのだ。

 世界各国まんべんなく行われている競技で、さらに個人の力だけではどうしようもない団体競技を除くと、選手層が厚い競技として残るのは陸上競技、ゴルフ、テニス。