米国の今景気回復サイクルは既に後半~終盤にあると判断される。景気拡大の裾野は徐々に狭まり、その名残が来年へ永らえるか、早々に頭打ち感を出すか、現時点で一方に肩入れする判定は難しい。現実には、どちらか判然としないまま、数カ月ごとにリスクオフとオンを行き来する展開を見込む。

 問題は、ドル円が底堅いのは図の横軸右側の25%の領域のみで、残り75%の領域で円高に傾きやすいことだ。複数回の米利上げをよほどしっかり織り込めない限り、リスクオン時のドル円の反発が小さいと失望されて、逆に円高を招くことすらあり得る。

 ドル円の予想水準は、9月末97円、12月末94円を変えていない。ドル円は、100円以上にとどまるか100円を割り込むかで、山の尾根の日なた側か日陰側かというほどに相場参加者の心理と行動を変える恐れがある。今後、イエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長のジャクソンホール講演(8月26日)、日本銀行政策の「包括的検証」(9月21日)などイベント前に相場が足踏みするだけで、円高リスクが意識されるだろう。

 ただし、先行きは暗いばかりではない。原油が1バレル20ドル台から40~50ドル台に値を戻したように、最近リスク通貨・資源の反発領域、すなわちドル指数のスマイルカーブも広がった感がある。来年にかけてドル指数の上昇サイクルは終わり、新興国・資源国通貨も底値模索に移り、相場に新たな芽が現れると期待している。