スガノミクス#5Photo:Hiroshi Watanabe/gettyimages

人気ストラテジストとして知られるJPモルガン証券の阪上亮太氏は、日本株が「大復活」を遂げるシナリオの現実味が増してきたと分析し、日経平均株価は年末2万5000円、来年は2万9000円に上放れする可能性もあると指摘。特集『スガノミクスの鉄則』の#5では、その実現に求められる三つの条件を詳述する。(ダイヤモンド編集部 竹田幸平)

堅調さが目立つ日本株
上放れシナリオが11月に実現も

 日本株が堅調な動きを続けている。菅義偉首相の誕生後も、東京証券取引所の大規模システム障害やトランプ米大統領の新型コロナウイルス感染といった予期せぬリスクイベントに直面しながら、日経平均株価はこのところ2万3000円程度の高値圏で推移。3月の歴史的な急落相場を乗り越え、今や「コロナ前」の1月17日の取引時間中に付けた年初来高値(2万4115円)も射程に捉える好調ぶりを示しているのだ。

 コロナを巡る先行きは依然として不透明であり、企業の収益環境も厳しい中で、日本株に一段高など期待できるのだろうか。人気ストラテジストとして知られるJPモルガン証券の阪上亮太チーフ株式ストラテジストは、そんな日本の株式市場に三つの条件がそろうことで、近く「大復活」を遂げるシナリオが現実味を増してきたと話す。

 そして、これらのシナリオは11月にも実現する可能性があり、世界的には“出遅れ株”として主要国の後塵を拝してきた日本の株式相場が本格的に勢いづけば、「日経平均は年末2万5000円程度、来年中には最大2万9000円程度まで上放れする余地がある」(阪上氏)という。以降、その詳細を明らかにしていこう。