コロナ禍による緊急事態宣言下、日々経営環境の過酷さは増すばかり。
3月決算が近づく今、なんとか社員のモチベーションを上げながら、業績を上げたい経営者も多いだろう。だが、もうすぐ春なのに、明るい材料が見出せない。そんな社長も多いのではないだろうか。
そんな社長へ朗報。今回、18年連続増収、750社の指導で5社に1社は過去最高益・倒産企業ゼロに導いた株式会社武蔵野の小山社長が業績復活の究極のノウハウを初公開した『門外不出の経営ノート――2泊3日で165万円! プレミアム合宿LIVE講義』がロングセラーとなり、オーディオブックが刊行され話題となっている。
この本は、2泊3日で165万円の箱根プレミアム合宿を一冊に凝縮した画期的な本。しかも「12名限定」でキャンセル待ちが続くなんともミステリアスな合宿だ。なのにはるばる全国各地から参加した社長たちは「165万円は安い」という。一体どういうことか?
経営のカリスマにその秘密とノウハウを今こそ紹介してもらおう。

事業承継で大切な3つのことPhoto: Adobe Stock

株は社長が独り占めせよ

事業承継で大切な3つのこと小山昇(Noboru Koyama)
株式会社武蔵野 代表取締役社長
1948年山梨県生まれ。東京経済大学を9年かけて卒業。「大卒は2人だけ、赤字続きだった武蔵野」を18年連続増収の優良企業に育てる。現在、750社超の会員企業を指導。5社に1社が過去最高益、倒産企業ゼロとなっているほか、日本で初めて「日本経営品質賞」を2回受賞(2000年度、2010年度)。今回、これまで一切封印されてきた武蔵野史上最高額のセミナー「実践経営塾 箱根プレミアム合宿」のノウハウを初公開した『門外不出の経営ノート』を出版。『朝30分の掃除から儲かる会社に変わる』『強い会社の教科書』『【決定版】朝一番の掃除で、あなたの会社が儲かる!』『1日36万円のかばん持ち』『残業ゼロがすべてを解決する』『数字は人格』『お金は愛』などベスト&ロングセラー多数。

私のかばん持ちをしていたある社長に、

「自社株はどれくらい持っているのか」
と尋ねたときのことです。

その社長は「20%」と答えた。

続けて私が、「残りは誰が持っているのか」と尋ねると、
「祖父(99歳)が持っている」という。

祖父は病気療養中だというので、私はこうアドバイスした。

「おじいさんに万が一のことがあったとき、おじいさんが持っている株式は、民法上、あなたのお父さんと相続の権利がある人に渡ります。株式が分散すると経営が安定しないので、今のうちにおじいさんから株式を買い取ったほうがいい」

さっそくその社長は祖父のもとを訪れ、「株を売ってほしい」と頼んだ。

すると祖父は「お父さんの許可はもらったのか」と聞いてきたので、その社長は「もらっている」とウソをついた(笑)。

それから2ヵ月後に祖父は他界。

あのとき、ウソをついてまで株式を取得していなければ、その社長はいまだに雇われ社長だったかもしれません。

中小企業の場合、「株は、社長が独り占めする」のが正しい。

なぜなら、「意思決定が早くなる」からです。

株式が分散していると、それだけ意思決定が遅くなり、時代の変化に取り残されます。事業承継を考えるなら、「株式は会社を継ぐ人に全部与え、兄弟には株式以外の財産を与える」など、後継者に株式を集中する工夫が必要です。