なぜ私ばかりが異動できないのか…と嘆く人に欠けている「戦略的視点」異動の可能性を高める戦略とは? Photo:PIXTA

出世を含めたキャリアを考える上で、多くのビジネスパーソンの頭を悩ませているのが「人事異動」である。従業員に異動希望の有無を聞く会社もあるが、希望通りの異動が実現するケースは決して多くないだろう。「今年も希望が通らなかった…」「来年こそは!」と、異動を夢見るビジネスパーソンこそ考えておきたい「異動のための戦略」を徹底解説する。(構成/ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

次こそ異動を勝ち取る!
効果的な戦略とは?

 出世を含めて自分自身の将来のキャリアを考え、「新規事業部門に行きたい」「営業を経験したい」というように、部署異動を希望している人は多いでしょう。今回は、次こそは異動を勝ち取りたいという人のために、異動の可能性を高める「戦略の考え方」を解説したいと思います。

 さっそくですが、異動したいと考えている人に質問です。その目的を達成するために、何か取り組んでいることはありますか。

「異動希望を毎年書いて提出している」
「異動希望先の部長の目に留まるよう資格の勉強をしている」
「人事部長に異動したい旨を直接伝えている」

 目的のために取り組んでいることがあれば、一歩前進といえるかもしれません。しかし、今やっていることが最も効果的な手段といえるでしょうか。異動したいことや自分の頑張りをアピールしているものの、上司には全く響かない…。そんな経験がある人も多いでしょう。

 ではどうすればいいのか。ここでカギとなるのが、「マーケティングの考え方」です。

 実際のビジネスにおいては、マーケティングの考え方を意識する機会が多いと思います。市場のニーズを理解し、対象となる顧客を定め、商品を効果的にプロモーションして販売していく――事業を成功させる上では、そうした戦略が必要となります。この考え方が、自分自身のキャリアにも応用できるのです。