北海道・東北にある公立進学校の目指す先
ここからは、全国公立校「国公立大学合格力」ランキングに基づいて、北海道から東海まで順に見ていこう。各校の順位として示したのは、いずれも国立・私立校を含まない公立校のみの全国順位である。
広大な北海道は、同じ道内でも下宿しなければ通えないことが珍しくない。道民の約半分が暮らす札幌都市圏では、4位札幌北と5位札幌南が競い合っている。合格者数1位はいずれも北海道大だが、札幌北121人に対して札幌南84人と大きくその差は開いている。札幌医科大になると、札幌北の15人に対して23人の札幌南が多い。札幌北が小樽商科大15人、4位で東北大13人と、比較的地元と周辺エリア志向の強さをうかがわせるのに対して、札幌北は3位京都大20人、4位東京大18人と、全国区の最難関国立大志向が明確で、対照的な存在といえる。
北海道の中核市には旭川市と函館市がある。13位北海道旭川東は北海道大44人、北海道教育大21人、旭川医科大19人と旭川市内もしくは札幌市に合格者が集まっている。この北海道教育大にはキャンパスが5つあり、教員養成課程は札幌、旭川、釧路にある。函館には国際地域学科が、岩見沢には芸術・スポーツ文化学科がそれぞれある。ちなみに北海道函館中部は53位で、津軽海峡を挟んだ弘前大28人、北海道大16人、北海道教育大15人の順に合格者数が多い。
東北6県では、公立校ランキングベスト50に岩手県の学校がない。61位に県立盛岡第三があり、岩手大60人、弘前大16人、岩手県立大15人と、地元周辺中心に進学している様子がうかがえる。青森県は県立弘前が29位にあり、弘前大72人、東北大48人、新潟大9人の順に多い。秋田県は50位県立秋田が秋田大44人、東北大36人、新潟大34人となっている。青森と秋田のトップ校で、地元国立大と旧帝大、旧官立大という並び順が同じ点は興味深い。
宮城県は2校が入った。32位宮城仙台第一と41位宮城仙台第二である。仙台第一は東北大75人、山形大と新潟大各15人、これに対して仙台第二は東北大76人、山形大41人、岩手大8人となっている。同じ仙台市内にあっても、隣県の山形大への進み方で差が出た。
山形県は45位に県立山形東が入り、東北大60人、山形大38人、新潟大15人で、地元国立大よりも旧帝大合格者数が多いのは県内トップ校の気概だろうか。福島県は県立福島が38位にある。福島大35人、東北大32人、新潟大・福島県立医科大各24人となっており、地元公立医大での人数の多さが際立つ。