新たに14校がベスト50入り

 ここからは図1図2を参照しながら、ベスト50校を概観していく。約8割は22年に続いて国公私立の中高一貫校が占めている。難関私立大合格力でも約7割がこうした中高一貫校だったが、国公立医学部ではその比重がさらに大きい。

 中高一貫でない学校は、公立高9校のみだった。具体的には、20位仙台第二(仙台市青葉区)、24位札幌南(札幌市中央区)、30位熊本(熊本市中央区)、34位鶴丸(鹿児島・鹿児島市)、35位新潟(新潟市中央区)、40位県立前橋(群馬・前橋市)、43位旭丘(名古屋市東区)、48位松本深志(長野・松本市)と岡山朝日(岡山市中区)である。市区で示してあるのは政令指定都市にある学校で、6校ある。

 ベスト20の注目上昇校は、15位智辯学園和歌山(和歌山・和歌山市)だろう。かつてから高校野球の強豪校として有名だったが、近年急速に進学実績を上げている。23年の国公立大医学部合格者数は42人を数え、うち2人が東京大理IIIという快挙がその勢いを示す。

 ランク外から大きく飛躍してきた公立中高一貫校としては、33位中央中等教育学校(群馬・高崎市)と50位市立甲陵(山梨・北杜市)の2校が挙げられる。伝統的な公立進学高校の半分から3分の1程度の少人数教育で、医学部合格力も年々向上している。今後も同様に、他の公立一貫校がランクを上げてくるだろう。中等教育学校である79位の岡山大安寺(岡山市北区)、中学を付設した伝統的な県立進学校としては78位水戸第一(茨城・水戸市)、84位の土浦第一(茨城・土浦市)と宮崎西(宮崎・宮崎市)、87位県立千葉(千葉市中央区)などが該当する。

 他に急上昇の注目校としては、19位に駆け上がってきた片山学園(富山・富山市)と45位岡山(岡山市南区)という2つの私立中高一貫共学校だろう。いずれも県立高が圧倒的に優位な土地柄で、開校したのはそれぞれ2005年と1982年(中学)、そして卒業生概数が100人に満たない少数精鋭の教育でランクインしてきた。

 23年にランク入りした残りの学校も中高一貫共学校で、大阪の3校(私立の31位高槻、国立の32位大阪教育大学附属池田と38位大阪教育大学附属天王寺)、50位渋谷教育学園幕張(千葉市美浜区)となっている。この合格力は前年より数人増減するだけで、ランクの変動が大きい。なお、50位の学校では約12人に1人が国公立医学部医学科に合格している。