2021.9.22
日本の物価が上がらない「政策の影響」、景気動向を反映する条件
消費者物価指数は前年比で低下が続いているが、政府の政策で影響を受ける度合いが強い。実際、政策要因を除くと景気動向を反映し変動している。物価は上がりにくくなっているが上がっている。
金融・経済ウォッチャー
すずき・あきひこ/1981年早稲田大学政治経済学部経済学科、87年ハーバード大学ケネディー行政大学院卒。
銀行調査部、シンクタンク、内閣府で30年余りのエコノミスト経験。現在は、金融政策を中心に金融・経済情勢についてウォッチしながら、さまざまな気付きを情報発信。青山学院大学大学院他で非常勤講師。著書「デフレ脱却・円高阻止よりも大切こと」中央経済社、「デフレとの20年戦争」金融財政事情研究会。
X(旧ツイッター)@3427asuzuki
2021.9.22
消費者物価指数は前年比で低下が続いているが、政府の政策で影響を受ける度合いが強い。実際、政策要因を除くと景気動向を反映し変動している。物価は上がりにくくなっているが上がっている。
2021.9.6
第5波の感染拡大によって、人口規模との比較で見た日本の感染状況は、世界平均を大きく超える厳しいものとなった。ワクチン接種がさらに広がれば、感染抑制効果が出てくると期待されているが、新たな変異株が次々と現れている状況を考えると、日本…
2021.8.9
昨年4月7日に最初の緊急事態宣言が出されて以降、宣言の解除と再発令が繰り返されている。緊急事態宣言は、本来は感染が拡大される前に予防的に発令され、感染が十分におさまってから解除されるべきものだ。しかし、新規感染者数の推移と緊急事態宣…
2021.7.28
4度目の緊急事態宣言が出されて約2週間たつが、新型コロナウイルスの感染再拡大の勢いは止まらず宣言の効果が疑われる。結局はワクチン接種の進捗(しんちょく)しか感染抑制手段がないことがはっきりしてきた。
2021.7.13
原油を初めとして国際商品市況が上昇し、アフターコロナを見据えた景気回復観測もあって、海外ではインフレ懸念が高まっているが、日本の消費者物価は上がらない。しかし日銀のアンケートによると、物価が上昇しているとの回答が多い。人々が物価上…
2021.6.22
4月25日の東京、大阪、京都、兵庫を皮切りに、1都2府1道6県に出されていた緊急事態宣言は、沖縄を除いて期限の6月20日で終了した。ただ、宣言が解除されたのは、7月23日から始まる東京オリンピック・パラリンピックを予定通り開催するためと考えら…
2021.6.2
緊急事態宣言が再延長されたが、このままではワクチン接種が終わっていない状況で東京五輪の開催を迎える。コロナと五輪の「二正面作戦」はコロナと経済の両立失敗と同じ轍を踏む恐れがある。
2021.5.26
新型コロナウイルスの感染第4波が猛威を奮っている。日本でも1日の新規感染者数が7000人を超える日があるなど、昨年終わりから続いた第3波と同じような感染拡大となっている。新型コロナウイルス感染者数を地域別に整理し、第3波までの結果と第4波…
2021.4.30
日本のコロナ対策はあまり評判がよくないが、欧米の国々と比べれば明らかに感染は抑制されており、経済成長率のマイナス幅も小さい。しかし、ワクチン接種に出遅れるなど、今後、日本のコロナとの戦いは厳しさが予想される。日本でワクチン接種が本…
2021.3.31
デフレとの戦いは20年を迎えたが、コロナ禍で日銀は強力な緩和手段を持ちマネーストックも拡大し始めた。だがそれでも物価目標実現は難しく、今回の政策見直しもそれを意識したものだ。
2021.3.26
日本銀行は3月の金融政策決定会合で、より効果的で持続的な金融緩和を実施していくための点検を行い、その結果を発表した。日銀が示した対応は数多いが、それぞれの制度のルールが複雑なこともあり、一般には日銀の狙いが見えにくい。長年シンクタ…
2021.3.17
日本銀行の「金融緩和の点検」では長期金利の変動の活性化やETFの機動的買い入れの観測が先行したが、政策金利のフォワードガイダンスの強化などで、デフレと戦う姿勢を示すことが本丸と思われる。
2021.2.26
2月の月例経済報告の景気判断は、「新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあるなか、持ち直しの動きが続いているものの、一部に弱さがみられる」と、長くて難解な文章となった。判断に迷うと文章が長くなるのが、政府の景…
2021.2.3
新型コロナウイルスとの戦いはワクチン接種が始まり終盤戦に入ったが、開発で出遅れ自前のワクチンがない日本は、感染防止と感染者の隔離・治療の「専守防衛」に徹することが重要だ。
2021.1.29
コロナの感染抑制に成功した中国は、2035年までに中等先進国になるという目標を打ち出した。それには所得水準を15年間で2倍にしなくてはならない。中国は本当に中等先進国になれるのだろうか。これまでの経済成長を振り返るとともに、これからクリ…
2020.12.29
2020年の日本経済は、コロナショックに見舞われて大幅なマイナス成長を余儀なくされた。今の日本景気は着実に回復しているが、2021年の経済成長率はゲタを履いてプラスに転換するものの、2021年も緩やかな景気回復が続くとは単純に考えにくい。日本…
2020.12.24
日本銀行が「政策点検」を打ち出したのは2%物価目標の実現が遠のく中でコロナ対応の特別オペをコロナ後も強いられる懸念があるからだ。新たにマイナス金利の継続をコミットメントに加えるなどが予想される。
2020.12.9
コロナ感染の第3波は過去最高の感染拡大であり感染爆発を起こさないことが最優先課題だ。コロナ対策では感染防止第一と経済重視の考え方が調整されず、迷走することが経済には一番のリスクだ。
2020.11.30
TPP交渉は、オバマ政権時の米国が中国をけん制するために参加を表明し、日本も遅ればせながら参加表明したという点で、米国追従の日本外交の典型例のような形で始まった。しかし米国は、トランプ大統領によって突然TPPを離脱。それでも日本が諦めず…
2020.10.30
新型コロナ対策を論じるときに「命と経済の両立」というフレーズがよく使われる。確かに、人の命も救うし経済も活性化する対策ならば、誰も文句はない。しかし、そのような対策が果たして存在するのだろうか。最後には、両者のバランスをどうとるの…
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