
2024.1.8
植田日銀総裁発言から読み解く2024年の金融政策、異次元緩和の出口はいつか
日本銀行の植田和男総裁は、昨年(2023年)12月の金融政策決定会合後の会見で、基調的な物価上昇率が徐々に高まっていく確度は引き続き高まっているとしたうえで、賃金と物価の好循環を今後も見極めていく必要があるが、インフレ率が低下を続けるこ…
金融・経済ウォッチャー
すずき・あきひこ/1981年早稲田大学政治経済学部経済学科、87年ハーバード大学ケネディー行政大学院卒。
銀行調査部、シンクタンク、内閣府で30年余りのエコノミスト経験。現在は、金融政策を中心に金融・経済情勢についてウォッチしながら、さまざまな気付きを情報発信。青山学院大学大学院他で非常勤講師。著書「デフレ脱却・円高阻止よりも大切こと」中央経済社、「デフレとの20年戦争」金融財政事情研究会。
X(旧ツイッター)@3427asuzuki
2024.1.8
日本銀行の植田和男総裁は、昨年(2023年)12月の金融政策決定会合後の会見で、基調的な物価上昇率が徐々に高まっていく確度は引き続き高まっているとしたうえで、賃金と物価の好循環を今後も見極めていく必要があるが、インフレ率が低下を続けるこ…
2023.12.13
日銀は来年1月の金融政策決定会合で異次元緩和の終了を決める可能性が高く、その後はゼロ金利の下での時間軸政策で市場実勢に委ねながらも緩和策を続ける見通しだ。だがその先、利上げに転じるとなれば日本経済の成長力強化に加え日銀保有国債の圧…
2023.12.5
岸田首相は、インフレの悪影響を防ぐために物価高対策を打ち出しているが、そこでもデフレ脱却というスローガンを使っている。しかし、デフレ脱却という言葉が意味するところは、物価動向の変化に合わせて変わってきている。デフレ脱却の意味の変遷…
2023.11.15
植田和男総裁が率いる日本銀行の出口戦略は、単に「異次元金融緩和」からの脱却だけではない。「非伝統的金融政策」そのものからの脱却を目指している。今年7月以降、イールドカーブ・コントロール(YCC)の運用柔軟化を進めるなど、すでに異次元金…
2023.11.14
日本銀行は10月の金融政策決定会合でイールドカーブ・コントロール(YCC)の運用のさらなる柔軟化に踏み切った。ゼロ%程度という10年金利の誘導目標は維持しているが、今回の政策変更は事実上の長期政策金利の引上げと考えるべきだろう。日銀が短…
2023.10.18
消費者物価上昇率がずっと「2%物価目標」を超えているのに金融緩和が続くのは、円安加速やインフレ高進の状況は政策変更のタイミングには適さないと日本銀行が考えているからだ。緩和の「出口」は早くて来年1月か4月と予想される。
2023.10.16
政府と日本銀行の共同声明(アコード)の実態は日銀に2%の物価目標を掲げさせ、異次元金融緩和を迫るものであった。しかし足元では2%を超える物価上昇が続いており、異次元金融緩和の終了は視野に入っている。異次元金融緩和を終わらせた後に必要…
2023.9.11
岸田首相も経済界に賃上げを求めるなど、いまや「物価上昇に負けない賃上げ」が「デフレ脱却」に代わる国を挙げてのスローガンになった感もある。人件費が抑えられ、労働分配率の低下が続いていたことが日本経済の活力を削ぐ要因の一つであったとす…
2023.8.23
日銀が「YCC柔軟化」に踏み出したことで今後の緩和政策の修正を予想する声があるが、植田日銀は金融緩和の「出口」を急ぐのではなく「多角的レビュー」を通じて非伝統的金融政策自体を終わらせることを考えているように見える。
2023.8.14
日本銀行は7月の金融政策決定会合で、イールドカーブ・コントロール(YCC)の運用の柔軟化を決定した。ただ、今回の柔軟化は、昨年12月に0.5%に拡大した変動幅を単純に1.0%に拡大するものではない。そんなことをしても、10年金利は1%水準まです…
2023.7.17
7月27、28日に開催される金融政策決定会合では、7月の経済・物価情勢の展望(展望レポート)が発表される。そこで日銀の物価見通しが上方修正される見込みだ。今年度半ばにかけて前年比プラス幅が縮小するという日銀の見通しは維持されるとしても、…
2023.6.21
物価上昇が2%物価目標を超える状況は1年以上、続いている。日本銀行は、世界経済減速の影響を注視しつつ早ければ7月展望レポートで物価目標達成を宣言、異次元緩和策の修正に踏み出す可能性がある。
2023.6.12
日本銀行は、4月27日・28日の金融政策決定会合において、5年近く掲げていた政策金利のフォワードガイダンスを当面の金融政策運営の発表文から外した。政策金利のフォワードガイダンスが残っていると、政策金利引き下げの思惑が出てきやすいので、あ…
2023.5.15
植田和男・日本銀行総裁の就任後初となる金融政策決定会合では、デフレが始まった1990年代後半以降の金融政策運営について、1年から1年半程度の時間をかけてレビューを行うことが決まった。一方、異次元金融緩和の副作用も念頭に置いた金融政策の変…
2023.4.19
植田日銀総裁は物価目標達成には時間がかかることを理由に緩和維持を表明したが、YCCが国債市場の乱高下を招きやすい点は問題視していた。物価目標未達成の段階でも長期金利の安定のためYCCの運用柔軟化や時間軸強化はやる可能性がある。
2023.4.10
黒田東彦・前日銀総裁は、3月10日の定例記者会見で、10年間の金融政策について自己評価をした。同氏は、大規模な金融緩和によって経済は大きく発展し、物価が持続的に下落するという意味でのデフレではなくなったと述べるなど、終始、自画自賛の姿…
2023.3.14
10年以上にわたって日銀総裁を務めた黒田東彦日銀総裁が退任し、4月から植田和男氏が新しい日銀総裁に就任する。そして、日銀総裁の新旧交代に合わせて、黒田現総裁の金融緩和の柱となった「政府・日本銀行の共同声明(以下、アコード)」を見直す…
2023.2.22
植田新総裁の日銀審議委員時代の言動から判断すると、マイナス金利政策や量的緩和には懐疑的と思われ、当面は金融緩和継続を言いながら、ある時点で物価見通しを修正し伝統的な金利政策に転換するとみられる。
2023.2.13
22年12月の消費者物価(除く生鮮食品)は、前年比4.0%上昇し、9カ月連続で2%の物価安定目標を超えている。23年1月は4%台半ばの上昇になりそうだ。春以降も大幅な料金引き上げが見込まれている。日銀は、デフレ脱却を宣言してもおかしくない状況…
2023.1.16
日本銀行は、昨年12月20日の金融政策決定会合において、誘導目標である10年国債金利の変動幅を0.5%に拡大した。この決定は、日銀の金融政策の転換点になるとの評価もあるが、これは通過点と考えた方がよさそうだ。2013年4月の黒田総裁登場とともに…
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