
2023.1.16
日銀の金融政策修正、引き締めへの転換ではなく「通過点」でしかない理由
日本銀行は、昨年12月20日の金融政策決定会合において、誘導目標である10年国債金利の変動幅を0.5%に拡大した。この決定は、日銀の金融政策の転換点になるとの評価もあるが、これは通過点と考えた方がよさそうだ。2013年4月の黒田総裁登場とともに…
金融・経済ウォッチャー
すずき・あきひこ/1981年早稲田大学政治経済学部経済学科、87年ハーバード大学ケネディー行政大学院卒。
銀行調査部、シンクタンク、内閣府で30年余りのエコノミスト経験。現在は、金融政策を中心に金融・経済情勢についてウォッチしながら、さまざまな気付きを情報発信。青山学院大学大学院他で非常勤講師。著書「デフレ脱却・円高阻止よりも大切こと」中央経済社、「デフレとの20年戦争」金融財政事情研究会。
X(旧ツイッター)@3427asuzuki
2023.1.16
日本銀行は、昨年12月20日の金融政策決定会合において、誘導目標である10年国債金利の変動幅を0.5%に拡大した。この決定は、日銀の金融政策の転換点になるとの評価もあるが、これは通過点と考えた方がよさそうだ。2013年4月の黒田総裁登場とともに…
2022.12.21
日銀のYCC政策の長期金利誘導の上限引き上げは、国債市場などの異常な機能低下への批判の強まりから変更は時間の問題だった。金融緩和是正の第一歩の可能性もあるが、黒田総裁のもとでは「打ち止め」だろう。
2022.12.16
日銀は、2年以内に2%の物価安定目標を達成するという短期決戦を想定したが、その目論見は見事に外れ、いつ終わるともしれない資産の膨張が始まってしまった。日銀が、資産膨張を食い止めるための苦心策を時系列で説明することで、現在の日銀の金融…
2022.11.30
円安は一服感が出ているが、2%物価目標を上回る物価上昇が続いている。為替を理由にした政策修正はしにくかった日銀には、物価目標達成を理由に政策修正をする道が開けてきた状況だ。
2022.11.14
日銀の黒田総裁は、10月の金融政策決定会合後の会見で、2%の物価安定目標の実現を目指し、これを安定的に持続するため現在の金融緩和を続けるという基本方針を改めて確認した。世界中がインフレで悩む中、日銀だけがデフレを心配する理由を推察す…
2022.10.26
円安阻止で日銀が金融緩和政策を利上げに転換することはなさそうだ。だが消費者物価が4月から連続して2%物価目標を達成し物価情勢が上振れするなか、異次元緩和の"出口"戦略はすでに進められている。
2022.10.10
黒田総裁は、9月21・22日の金融政策決定会合終了後の会見で、政策金利などの金融政策の変更は当面ないという従来からの主張を繰り返し、当面とは「2~3年の話」と示した。しかし、これまで政府や日銀が当面という言葉を使う時は、3カ月からせいぜい…
2022.9.15
7月の消費者物価(全国、除く生鮮食品)は前年比+2.4%と、4月から4カ月連続で2%の物価安定目標を達成している。8月は、1年前の携帯通信料引き下げの影響が剥落するため、物価上昇率は2%台後半に入ってきてもおかしくない。持続性がなく、賃金の…
2022.8.31
日本のインフレが緩やかなのは原材料コスト上昇分の価格転嫁が抑えられてきたからだが、それも限界になり企業の価格戦略が変わり始めている。インフレは欧米で峠を越えても日本は“価格転嫁のマグマ”が残っており長引きそうだ。
2022.8.15
7月19日に景気動向指数研究会が開催され、景気を把握する新しい指数の検討状況について報告された。新しい指数作成の基本方針を解説するとともに、政府が新しい指数を検討する真の狙いを、過去の景気判断における政府の対応を振り返りながら考察す…
2022.8.5
日銀は7月の金融政策決定会合でも「緩和維持」を決めたが、黒田総裁の発言からは金融緩和の出口を考え始めているいくつかの示唆が垣間見える。早ければ今秋以降に政策変更に向けた動きが出る可能性がある。
2022.7.6
円安・物価上昇に「緩和維持」を続ける日銀だが、マネタリーベースは着実に縮小させており、「量的引き締め」開始は秒読み段階だ。2%台の物価上昇が続く秋には政策修正の可能性がある。
2022.7.5
円相場は、1ドル=140円に近づこうとしているが、それでも円安の流れが止まらない。1985年のプラザ合意以降の円高の流れは、2011年までで終わったと考えるべきと主張する日本経済分析のエキスパートが、円安が進む2つの要因を解説するとともに、円…
2022.6.7
中国は、日本や韓国など計15カ国からなる「東アジア地域の包括的経済連携」(RCEP)に参加。東アジア地域を代表するメガ自由貿易協定(FTA)となり、中国の存在感は一段と高まる一方、環太平洋地域での米国の存在感は低下している。しかしバイデン…
2022.5.11
物価上昇でも日銀は「デフレ脱却」の緩和政策を続ける構えだが、次は「スタグフレーションとの戦い」が予想され、2%物価目標の見直しとともに資産圧縮とマネタリーベース縮小に手を付ける時だ。
2022.5.9
景気動向指数の基調判断は、2月の景気動向指数の改訂値が発表されたときに「改善」に修正された。これまで、景気動向指数の基調判断は速報値だけで発表され、改訂値で見直すと速報段階と異なる判断が出てくるような場合であっても判断が見直される…
2022.4.5
日本の物価環境は、新型コロナ対応に乗り出した2020年春頃と今とで大きく変わった。物価が2%を超えて上昇しようという時に、物価を2%上げるための金融緩和を続けるというのは無理がある。政府の物価高対策や日銀短観の結果をもとに、日銀は今こそ…
2022.3.9
欧米ではウクライナ危機でインフレが加速する懸念が強まる。日本は物価が落ち着いている間にデフレ脱却で掲げられた非現実的な「2%物価目標」を「0~2%」とし物価の上限を位置付けるものに見直すべきだ。
2022.3.8
ロシアがウクライナ全土への侵攻を始めたことは、2014年のクリミア併合と比べ、世界に与える影響は、はるかに大きい。経済に与える影響も深刻だが、一般的に安全保障の問題は経済に優先する。こうした地政学リスクは、これからもさまざまな形で表れ…
2022.2.8
「悪いインフレ」、「悪い円安」という言葉がよく使われている。しかし、デフレ脱却と円高阻止をスローガンにしてきたのに、円安が進んで、物価も上がりそうになると、これは悪いインフレ、悪い円安と言い出すのは、ふざけた話だ。悪いインフレ・悪…
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