片田江康男
米アマゾン・ドット・コムがあいおいニッセイ同和損害保険と組み、日本でペット保険市場に参入することが明らかになった。ペット保険業界だけではなく、生・損保各社にも衝撃を与えたのと同時に、本当にアマゾンが市場を席巻できるのか、懐疑的な声も上がっている。

米アマゾン・ドット・コムが近く、日本のペット保険事業に参入することが、ダイヤモンド編集部の取材で分かった。損害保険大手のあいおいニッセイ同和損保が商品を供給し、アマゾンが販売する方向で最終調整している。

ペット保険業界2強の一角を占めるアイペットホールディングスに対し、大手生命保険の第一生命ホールディングスが株式公開買い付けを実施し、完全子会社化すると発表した。背景にはペット保険業界の競争激化があり、今回の動きがペット保険業界再編の呼び水となり得る。

損害保険各社と少額短期保険各社が提供している旅行キャンセル保険の契約件数が爆増中だ。10月からは全国旅行支援が始まり、さらに契約件数増加に拍車がかかりそうだ。商品による補償内容の違いや、各社の最新状況を調べた。

年間の収入保険料は1200億円を超え、活況を呈している少額短期保険業界。しかし、22年になってからは3社に対して行政処分が発出されるなど、負の側面も目立つようになっている。そのうち、業界に暗い影を落とす2社について、現在の状況を探った。

#18
中小企業の会計・税務はここ数年、freeeやマネーフォワードの出現によって一気にDX(デジタルトランスフォーメーション)が進んだ。その中小企業をサポートする税理士の業務もしかり。しかし、税理士事務所内での業務の煩雑さと情報管理の難しさは残ったままだった。その解決を目指したのが「ZoooU」。税理士が税理士のために作ったツールが描く、税理士事務所の未来像とは。

#17
士業の格は頂点が弁護士、最下位は社労士といわれ、それは稼ぎにおいても同様だ。ところが、そんな序列をひっくり返すような稼ぎ方をする“勝ち組”社労士が存在する。果たして、どのような仕事をしているのか。

#16
効率よく稼ぐ監査法人はどこか――。上場会社監査事務所登録制度の情報を基に、監査法人の「会計士1人当たり売上高」を集計し、ランキングを作成した。つぶさに見ていくと、上位に顔を出す監査法人にはある共通点があった。

#14
上場企業の監査を支えているのが、四大を辞めた会計士による「アルバイト監査」であることは、意外と知られていない。なぜバイトが支える構造になっているのか。その背景を探るとともに、最新の日給相場を調べた。

#13
会計学2科目と税法科目3科目の合計5科目の合格が必要な税理士試験。だが、大学院修了によって税法科目3科目のうち2科目を免除できる制度があり、近年、税理士を目指す人の最短かつ効率的なルートとして注目されている。科目免除制度が活用できる“お得”な大学院の入試難易度リストを公開する。

#11
準大手監査法人である東陽監査法人の佐山正則理事長は、監査法人業界の序列が「4・1」(大手4法人と、それに次ぐ太陽監査法人の1)から準大手・中小監査法人の合併などで「4・2」へ、近い将来に変わると予想する。その未来図を見据えた東陽の戦略について、佐山理事長に話を聞いた。

#6
社会保険や労働保険、人事・労務管理の専門家である社会保険労務士。手続き代行と簡単な労務相談で企業から顧問料をもらう“鉄板”ビジネスモデルは、電子申請やデジタルツールの出現で崩壊寸前となっている。環境変化に対応できなければ淘汰される時代に突入した中で、生き残る社労士の条件とは――。

#5
上場会社監査事務所登録制度の情報を基に、監査法人の「非監査証明業務」の売上高を集計。増収率を算出し、ランキングを作成した。コンサルティングやアドバイザリー業務など、非監査証明業務は監査証明業務よりも効率的にもうけられるといわれる。“脱監査”の道を行く監査法人はどこか。

#3
2020年3月に始まり、コロナ禍で打撃を受けた中小企業を救ったゼロゼロ融資。今、その返済が徐々に始まっている。そこで改めて問われるのは、税理士が顧問先企業の持続的な成長をサポートできるかどうかだ。月次決算書の作成や税務申告など、税理士の定型業務だけを請け負う旧来型税理士は、企業からリストラされる時代が、再び到来している。

#2
上場会社監査事務所登録情報を基に、監査法人の“本業”たる「監査証明業務」の売上高を集計。増収率を算出し、ランキングを作成した。市場の番人として上場企業と資本市場へ献身し、売上高を伸ばした監査法人を明らかにする。

#10
ペッツベスト少額短期保険やjustInCaseなど、少額短期保険業者に対する相次ぐ行政処分をどう受け止めているのか。また同時に規制緩和を求める真意とは何か。業界団体である日本少額短期保険協会の渡邊圭介会長に話を聞いた。

#9
2021年以降、大手生・損保傘下の少短が新規参入したが、少短各社が注目するような成功事例はなかなか出てこなかった。ところが22年夏、住友生命子会社のアイアル少短がPayPayと組んだ商品がまれに見るヒット。少短と生・損保各社からは、新たな“鉱脈”になり得ると、注目されている。

2019年8月に住友生命保険の傘下に入った、アイアル少額短期保険。今年の夏にペイペイと組んで発売した熱中症保険が、わずか3カ月で5万件の契約を獲得するという大ヒットを飛ばした。その勝因は何か。アイアル少短の安藤克行社長に話を聞いた。

#8
少額短期保険の「家財保険」の分野は、少短市場誕生時に参入した老舗業者がシェアを押さえており、ここ数年、序列の変動がほとんど見られない。だが、SOMPOグループの少短、Mysuranceと家賃保証会社の全保連が、市場の“ゲームチェンジ”を起こす画期的な仕組みを導入している。既存業者は今の地位にあぐらをかいていると、痛い目に遭うかもしれない。

#7
中堅ペット保険会社のペッツベスト少額短期保険が9月1日、実質的に破綻した。ペット保険各社に衝撃を与えたが、これはまだ序章にすぎないともいわれる。ペット保険市場には淘汰の波が押し寄せているのだ。
