村井令二
#6
楽天グループの屋台骨を支える「楽天市場」は巣ごもり需要の増加で活況を呈している。だが、その裏で出店者に負担を強いるような強引な施策も目立つ。三木谷浩史会長兼社長が率いる楽天市場の「圧政」に出店者は悲鳴を上げている。楽天経済圏で起き始めた「異変」の内幕に迫った。

#5
3月にタッグを組んだばかりの楽天グループと日本郵政に、早くも不穏な空気が流れている。携帯電話事業の設備投資で資金流出が続く楽天は、宿敵アマゾンジャパンに対抗するための物流投資も必須な情勢。そこで楽天は、日本郵政傘下の日本郵便との物流合弁会社に物流センターを移管することで、その投資負担を軽減させようとしている。だがその考えと提携先の日本郵政の思惑には、大きなずれがある。同床異夢となりつつある提携の実態に迫る。

#4
英語公用語化から間もなく10年がたつが、楽天グループの海外展開は進まず、今ではすっかり内弁慶企業だ。eコマースと金融という国内の既存事業に加え、携帯電話事業を強化する巨大コングロマリットはどこに向かうのか。

#3
携帯電話事業の巨額赤字で財務が悪化した楽天グループが頼ったのは、日本政府が過半数の株式を握る日本郵政だった。官製救済シナリオに死角はないのか。楽天の「第2位株主」になった日本郵政との提携の内幕を探る。

#2
楽天グループが、NTTドコモの「ahamo(アハモ)」に対抗して打ち出したのは「1GBまで0円」という常識外れの料金体系。だが、基地局の整備で設備投資がかさみ、携帯事業の赤字は膨らむ一方だ。楽天は立ち直ることができるのか。

#1
携帯電話基地局の整備を加速する楽天グループを揺るがしているのが、競合のソフトバンクが提起した民事訴訟だ。これまで整備した基地局を破棄するという前代未聞の事態に追い込まれるリスクが出てきた。独自取材で、泥沼の対立の構図を詳報する。

予告
楽天を襲う「底なしの巨額赤字」、三木谷総帥肝いりの携帯参入が招いた誤算ドミノ
楽天グループが2020年4月に参入した携帯電話事業の巨額赤字にあえいでいる。資本不足をカバーするために乗り出したのが、政府による救済色の強い日本郵政からの出資だ。米中対立が激化する中で、中国テンセントからの出資を受け入れたことには危うさも漂う。常識外れの料金値下げで携帯事業の収支が均衡する見通しは立たず、アマゾンジャパンに対抗して拡大してきた物流設備の投資も圧迫して資金不足が再び顕在化するのは必至。携帯事業に傾注する三木谷浩史会長兼社長は、果たして窮地を切り抜けられるのか。

日本企業として過去最大の当期純利益を計上したソフトバンクグループ。「金の卵の製造業」を標榜する孫正義会長兼社長は、投資事業の「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」で今期も一段のIPOが見込めると表明する。快進撃は続くのか。

米中対立の余波で打撃を受けたソニーグループの半導体事業が巻き返しの動きを見せている。中国・華為技術(ファーウェイ)への供給が一時途絶えて苦戦したが、米アップル「iPhone12」の上位機種へのセンサー出荷が好調。ファーウェイの“穴”をアップルで埋める戦略が鮮明だ。

楽天グループが中国・テンセント(騰訊控股)の出資を受け入れたことで、日本政府は「監視」を強化する。だが、事前規制をすり抜けた中国企業の投資に対し、事後の監視もできることは限られる。2020年5月に施行したばかりの改正外為法の抜け穴が目立ち始めた。

#5
東芝の経営が混乱する中、同社が40.6%の株式を保有する、半導体メモリー大手キオクシアホールディングス(旧東芝メモリホールディングス)の行方に注目が集まっている。折しも、米半導体大手のマイクロン・テクノロジーと同ウエスタンデジタル(WD)が、キオクシア買収の可能性を模索しているとの報道が流れたところで、業界の合従連衡の機運が高まっていた最中だ。その渦中にある小池淳義・WD日本法人社長がダイヤモンド編集部のインタビューに応じ、真相を激白した。

#5
NTT(日本電信電話)が総務省を接待していた問題は収束の兆しが見えない。NTTと総務省の不透明な関係に疑惑の目が向けられる中で、KDDIやソフトバンクなど競合は、NTT再編そのものの阻止に向けて徹底抗戦の姿勢を強める。両者の対立を解消して妥協点を探る役割を果たしてきた総務省は、自らが「脛に傷」を持つ身で、混乱を収拾できずにいる。暗雲の立ち込めるNTT再編の行方を探る。

#3
菅義偉首相が総務省を通じて携帯大手に強く迫った「携帯電話料金の値下げ」。NTTは率先してNTTドコモを通じて大幅値下げを仕掛けて業界を驚愕させたが、即座にKDDIとソフトバンクの競合2社が追随。再び3社寡占が続き、新規参入した楽天や、格安スマホを展開するMVNO(仮想移動体通信事業者)が追い込まれる事態になった。結局、値下げで得をしたのは、消費者以上にNTTだったのではないだろうか。

#1
接待スキャンダルが明るみに出るまでもなく、そもそも国に過剰な忖度をするNTT(日本電信電話)と総務省とは蜜月関係にある。そこに総務相経験者である菅義偉首相が誕生したことで、総務省が菅官邸に“恐怖”で支配される構図が従来以上に強まった。NTTと総務省が菅官邸には逆らえない「絶対服従」体制が完成したわけである。かねてNTTが悲願としてきた「NTTドコモの完全子会社化」と、菅案件である「携帯料金の値下げ」はこうした服従下で実行された。菅政権と、その意向を酌むNTTと総務省に「バーター取引」の意図はなかったのか。事実関係と取材からひもとく。

国内利用者が8600万人を超える国民的サービス「LINE」が揺れている。LINEの中国拠点で日本のユーザー情報の一部が閲覧できた問題が発覚し、企業としての信頼は失墜した。今後はヤフー主導の立て直しが図られる。

ソフトバンク傘下でヤフーを運営するZホールディングス(HD)とLINEの経営統合が完了した。国民的インターネットサービスを運営するヤフーの川邊健太郎社長とLINEの出澤剛社長をダイヤモンド編集部は直撃。孫正義氏が経営陣に託したミッションを明かしてもらった。

#6
半導体トップ10企業として、世界レベルの戦いを続けている唯一の日本企業がキオクシアだ。だが、主力事業の「一本足打法」は不安定。新規株式上場(IPO)手続きの再開が遅れる中で、業界再編の機運が高まっている。

#5
世界の半導体メーカーの巨額投資を背景に、業績を拡大させている東京エレクトロン。2021年の半導体製造装置市場の成長率が過去最大になると強気の見通しを示している河合利樹社長に、半導体の設備投資ブームの内幕を聞いた。

#4
半導体市場が空前の設備投資に沸いている。2021年の全世界の設備投資額は過去最大の12兆円規模になりそうだ。大手半導体メーカーの設備投資を独自に予想し、その恩恵を受ける半導体製造装置メーカーの熱狂の構図を描く。

#3
世界で争奪戦が繰り広げられている半導体は、米中の覇権争い、巨大M&A(合併・買収)など話題に欠かない。もはや世界経済を読むために、半導体の知識は不可欠だ。ニュースが分かる半導体の基礎知識を徹底解説する。
