「百の姓」=「百の名字を持つ」

 農家となると、農産物を育てて販売すればいいとイメージが固定化されてしまいますが、これからの農家はもっと柔軟な思考でないと生き残れません。
 それを具体的に表している言葉が「百姓」です。

「百姓」という言葉は、一時期蔑称に当たるということであまり使われなくなりました。
 しかし個人的には、とても好きな言葉です。

「百姓」の本来の意味は、「百の姓」=「百の名字を持つ」ということ。
 つまり、いろいろな仕事ができるという意味です。

 昔の農家では、
「田んぼをするなら畑もしろ」
「空いている時間は漁に出ろ」
「冬は縄を編め」
 などと言われてきました。

 自然相手の農は、天候次第で何がおこるかわかりません。
「百姓」の2文字には、そんな自然のリスクを分散しろという教えが埋め込まれているように思います。