既存店改装や積極投資をしても
止まらぬ客数減

 イオンはGMS事業の業績悪化について、従来はSM(スーパー)事業に分類していた旧ダイエーの29店舗を、GMSへ移管したことを一因としている。ただ、ダイエー移管に伴う赤字への影響は35億円といい、それを抜きにしてもGMSの赤字は10億円拡大していることになる。

 苦戦が続くGMSについて、イトーヨーカ堂やユニーグループ・ホールディングスといった競合は、それぞれ数十店規模の閉鎖を発表し、生き残り策を模索している。その一方で、イオンは閉店をせず、店舗改装で乗り切るというスタンスを崩さない。

 実際、GMS事業の中核で約350店を抱えるイオンリテールで、3000万円以上掛けて改装した「活性化店舗」は、14年3月以降で89店舗まで到達。今後も年間約50店ペースで既存店の改装を積極的に進めていく方針だ。

 改装に伴う設備投資もGMS事業に対しては手厚く、16年度は前年度比37%増の910億円を予定。この2年でGMSへの投資額を6割近く増やしており、本業立て直しのため、カネを掛けていることが分かる(図(3))。

 こうした投資の先行きに暗雲を感じさせたのが、16年度第1四半期決算だった。イオンリテールの既存店売上高の伸び率は、前年度同期から1.7%減とマイナス成長に転落。15年度下半期に改装した16店舗は同0.2%増だったとしたものの、他の改装店舗の数字は明かされていない。

 さらに深刻なのが、ここ2年以上にわたり客数減が続いていることだ(図(4))。GMSの約4分の1の店舗を改装しても、客数が16年度第1四半期には前年度同期比で4.2%減と、客離れが食い止められていない状況なのだ。

 苦境の中でも店舗閉鎖に乗り出せないのは、GMSにイオンモールの中核テナントとして、顧客や優良テナントを集める役割もあるからだ。GMSがなくなってしまえば好調の不動産事業も金融事業も成り立たないのだ。

 引くに引けないGMSで改革への投資を続けるイオン。トップがGMSの現状について口を閉ざすようでは、先の不安は拭えない。