また、副業によって社員及び社員の仕事の、知名度や評価が上がった場合、これが本業の会社にとっても、広報効果になったり、イメージの向上につながったりするような、「評判の相乗効果」が得られるような副業であれば、会社としても積極的に認めたいだろう。

 他方、会社にとって、社員が副業に従事することのデメリットは何だろうか。

 先の、副業を持つ社員個人にとってのデメリットとして数え上げた、「本業との競合リスク」、「本業の人的資本への投資不足」、「疲労」などは、本業を提供している会社にとっても、デメリットとしてカウントできる要素だ。

 加えて、会社としては、個人にとってはメリットである「自信」や「保険」の効果が発生することで、社員に対して、「プレッシャーを掛けにくくなる」効果があることを嫌う可能性が大きい。会社は、社員を会社により強く依存させることによって、より安くかつより容易に、社員をコントロールできる、というのも一面の真実だ。

 また、特定の社員が副業で「収入」を持つことに対する、他の社員の「嫉妬」がそれ自体厄介であったり、全員が100%会社に奉職している仲間だという社員の「一体感を削ぐ」効果を嫌う経営者もいるだろう。

結論!
会社員の副業を認め、法制化せよ

 結論として、本業に対してごく限られた明白な不利益をもたらす副業以外は、会社員に副業を認めるべきだろう。そして、前述のように、これを、法制化する方がいい。

 社員をコントロールしにくくなるとか、社員間の嫉妬や一体感の喪失を気にするような、ひ弱で嫉妬深い経営者や(その周りをうろつく)幹部管理職に気を遣う必要はない。

「一億総活躍」を掲げ、勤労者の所得水準を上げたいと願い、労働力人口の減少を補いたいと考える政府の立場としても、今、「10」の働きをしている個人が、「12」や「13」の働きに喜んで関わるかもしれない「副業」は、大いに奨励する方が、政策的にも理に適っていよう。

 副業自由化の後押しは、被用者側での権利の拡大につながる措置なので、解雇規制の弾力化など、経済的に望ましくはあっても実現が困難な政策を進める上で、有効なカード(の一部)になる可能性もある(注:筆者は、解雇の金銭補償解決を明確にルール化すべきだと考えている)。

 また、堅苦しい話は抜きにして、多くの会社員が、オープンにさまざまな副業に関わることができる会社と社会の方が、「圧倒的に楽しい」だろうと筆者は思っている。