「管理費が安い」といったコストに関しては、経験者が5%と未経験者の8%より低く、コストを下げればいいとは考えていないことがわかる。総じて、管理にかかる費用と質を比べると、質のほうが重視されているのが実情である。

◆居住者が管理会社に求めること 

シビアなマンション理事に支持される
管理会社は「本当によい会社」?

 理事会経験者はフロント担当者を重視し、そこで大きく管理のパフォーマンスが変わってくることを理解している。そんな理事会経験者だけでも、今回の調査サンプルは半数を数える。その順位は以下のように、1位:伊藤忠アーバンコミュニティ、2位:野村不動産パートナーズ、3位:東京建物アメニティサポートとなった。

 これは管理戸数の多さに関係なく、フロントの質が高いことを示し、どんな管理会社でも目指すことができる目標にしやすい重点事項である。管理戸数は短期的に増やせないので、良質な小回りが利く管理会社の目安にはなるであろう。中堅の管理会社では、こうした担当者の教育がより一層重要になってくるし、それを見極める入居者の判断も今後は一層厳しいものになっていくと思われる。

◆理事会経験者のみのランキング

 この調査を始めてから8年、顧客満足度調査はあらゆる業界で行われるようになっている。こうなると、マンション管理業界でも各社が顧客満足を追及し始める。特に、売主系列の管理会社は居住者視点でのサービス展開が活発になっており、サービス向上のために試行錯誤している。

当連載を大幅に加筆・修正した電子書籍『逆転の不動産戦略』(500円)好評発売中! 

 これに対して、「お客様は神様」と言わんばかりに、一部の入居者がクレーマーになるケースも稀にある。すると、ほとんどの入居者が納得しているサービスなのに、少数のクレーマーのせいで、そのサービスを皆が享受できなくなるような事態も起こり得る。

 その意味で、入居者全員で構成される管理組合の理事会が機能することが重要である。理事会が機能している管理組合は、管理会社とのコミュニケーションが取れており、改善を繰り返しながら、入居者の多くが満足度の高い生活を送ることに寄与している。管理会社に厳しい目を向けるのと同時に、自らも管理組合の一員として、マンションの組合活動に積極的に関心を持つという姿勢が、入居者にも求められている。