前日準備
──脳を休息モードに変えておく

ある程度の期間にわたって、休息に集中する際には、次の「毎日すること」を意識してみてください。もちろん、これも「絶対にやるべきこと」だとは考えないでください。

[毎日すること]
 ・外に出て日光を浴びましょう
 ・森林や海などの自然に触れましょう(初めて見るように好奇心を持って)
 ・あたたかいお風呂に入りましょう
 ・ストレッチやヨガなどのゆるやかな運動をしましょう
 ・デジタルデバイス、とくにSNSには触れないようにしましょう

さらに、スムーズに「5日間の休息」という非日常に入っていくうえでは、前日の準備が大切です。前日の仕事が終わったら、次の3つを参考に「休息モード」へ入る準備を開始してください。

(1)オン/オフ切り替えの儀式をしましょう
「パブロフの犬」のように、決まった音楽やアロマの香りで脳に条件づけ(conditioning)をしてしまえば、今後も休息モードに入りやすくなります。おすすめは「ヘアカット」に行くこと。「これから休息に入りますよ」という一定のシグナルを与えることで、脳は意外と単純に「休息モード」に入ろうとしはじめます。

(2)日常をどこかに片づけましょう
仕事や生活のストレスをノートに書き出して、それをあまり使わない引き出しにしまいましょう。PCやスマートフォンを片づけてもいいかもしれません。これらも脳へのシグナルとなります。

(3)自宅を非日常空間に変えましょう
いちばん手っ取り早いのは、キャンプ用の簡易テントなどを室内や庭に設置してしまうことです。ここまではできないという人は、自分が森や小川のほとりにいると想像力を働かせるだけでもOKです。イメージ療法(guided imagery)が脳に与える効果は実証済みです。

【Day 1】
身体を休息させるレイジー・デー

この日はレイジー・デー、つまり「何もしない日」です。とにかくまずは身体を休めましょう。出かけるにしても、自分の好きな場所に行くようにしましょう。

[朝]遅くまでたっぷり寝てOK。起きたらマインドフルネス呼吸法を10分しましょう。たった10分です。

▼マインドフルネス呼吸法についてはこちら▼
「過去と未来」が頭を占めると、脳疲労が溜まる
 ―なぜ「呼吸」に注意するだけで脳が回復するのか?
https://diamond.jp/articles/-/96974

[日中]最低限の家事はやりましょう。料理や掃除や洗濯などのときに、ムーブメント瞑想を取り入れましょう。家事そのものが休息の機会となり、自分の脳を成長させていく機会になります。

▼ムーブメント瞑想についてはこちら▼
マルチタスクが脳の集中力を低下させる
 ―「リラックスした覚醒状態」を手に入れるには?
https://diamond.jp/articles/-/96976

[夜]あたたかいお風呂に入りましょう(全身をあたためると、うつにも効果があるというデータがあります)。お風呂では「数」を数えてみましょう。「風呂で数を数えるのは、坐禅やマインドフルネスに通じるところがある」と言っている禅僧もいます。夜更かしせずに、たっぷりと眠りましょう。寝つけなかったり、夜中に目が覚めたりしたら、寝床の中で呼吸へのラベリングなども行いながら、マインドフルネス瞑想をします。