「年上に敬意を持って
教えることができる人」を育てる

【中原】西村店長のお店では、チームビルディングのために、どんな工夫をしているんですか?

マクドナルド店長に学ぶ!チームが育つ「先生型マネジメント」とは?西村裕美(にしむら・ひろみ)
マクドナルド六本木ヒルズ店店長。1988年生まれ。兵庫県出身。大学卒業後、2011年4月 日本マクドナルド株式会社へ入社。2012年店長へ昇格。2016年より現職。クルーの提案や意見を取り入れて、「敬意ある職場」を実現することを心掛けている

【西村】六本木ヒルズ店では、とくに高校生や大学生に、「年上の人に対する話し方」や「コミュニケーションの取り方」をしっかりトレーニングします。それがチームビルディングの第一歩ですね。
たとえば、経験者の高校生が、入店したばかりの年上の主婦の方に教えるという機会も多い。そういう場合に「どのように教えたらいいのか」というのは丁寧に伝えますし、もしも摩擦が起こったらすぐに話し合うようにしています。
やはり年代が違ったり、多様な考え方があったりするなかで一緒に働くわけですから、「この人にはどういう話し方をすればいいのか」とか、「敬意が伝わるためにはどう接すればいいのか」を考えることがすごく大切になります。私の店舗は、この部分をみんな心がけて気持ちよく働いてくれています。

【渋谷】そのような「コミュニケーションの取り方」を教えるために、本社からマニュアルのようなものは与えられるんですか?

【西村】はい。アルバイトとして採用が決まって、入店するときに、「お店の中でどういう人たちが働いていて、どういうコミュニケーションをするのがいいのか」というオリエンテーションをするのですが、そのガイドは本社から支給されています。

【中原】このように、「教育がしっかりしている」ということが、アルバイトとして入店する動機になる人は多いのでしょうか?「マクドナルドに入ったら、これだけのトレーニングが積めるんだ」ということに関心を持つというか。

【齋藤】入店前はそこまでわからないかもしれません。でも実際に入ってから、感銘を受ける人は多いですね。

【西村】ただ、前回の記事でも話題になった「友人紹介」の場合や、兄弟がマクドナルドのアルバイトを経験しているといった場合だと、たとえば「マクドナルドで教えてもらった経験が就職活動で役立った」というようなことを話してくれることがあります。ですから、「マクドナルドの教育」を目的に入店してくれる人も実際にいますね。

【中原】なるほど。店長がそのような「教育活動」に割く時間というのは、全業務時間中のどれくらいなんですか?

【西村】私はもう、半分以上です。

【中原】もはや「先生」ですね。

【西村】とんでもありません(笑)。でもやっていることは本当に「先生」ですね。実際、間違えて「先生」と呼ばれることも多いんです(笑)。マクドナルドの店長というのは本当に、そういう仕事だと思います。

【齋藤】私も同じ経験があります(笑)。アルバイトから「先生」と呼び間違えられることは多いですね。たとえば高校生を相手に、「みんなで集まって夏休みの宿題をやろう」みたいな企画を立てたこともあります。こうなると、お店を離れても先生的ですね。

【日比谷】これは昔からそうですね。マクドナルドの店長には「先生」の素質が備わっているんです。

(次回、いよいよ「ハンバーガー大学」の中を公開!! 10/12配信予定)

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