暗記が必要な場面では「学び方を学ぶ」

 会計用語やコンサルタントが使うプロフェッショナル用語は、なんとなく覚えにくい。丸暗記したところですぐに使うのは難しい単語は、自分にあった学び方で学ぶのが早道です。

 私たちが何かを学ぶときは、体の五感を通して得た情報が脳に記憶されます。学習するために使われる五感は視覚、聴覚、体感覚(触覚、味覚、嗅覚)の3つにまとめられ、VAKと呼ばれます。私たちは誰でもこれらの3つの感覚、Visual(視覚)、Auditory(聴覚)、Kinesthetic(体感覚)を使い、ものごとを記憶することができますが、人によって“得意な感覚”と“得意でない感覚”があります。例えば、あなたの周りに「聞いた話をよく覚えている」人はいませんか?そんな方は聴覚優位と呼ばれ、学習するときは読み書きよりも、音声教材を使って学ぶ方が有利な傾向にあります。

 これらの感覚は「何か一つだけ得意で、他はダメ」ということはありませんし、後から学び方を学ぶこともできます。簡単なテストであれば無料で受けることが可能ですし、実験しながら学び方を探っていくのもいいでしょう。自分にあった学び方を知ると、英単語や頻出フレーズの暗記も驚くほど短時間でできるようになります。仕事を続けながら英語を学習することは簡単なことではありません。しかし、工夫をすることで効率的に学習を続け、短時間でレベルアップをすることはできます。忙しいからこそ、やみくもに続けるのではなく、プロのアドバイスを参考にしながら、ワンランク上の英語を実践の場で生かしてください。

 これまで4回にわたって、30日後に仕事の英語を使いこなせるようになるためのコツをご紹介してきました。ビジネス英語とは「実践の英語」です。知っている英語を、使える英語、さらには伝わる英語と変容させるのに何年も要することはありません。一つ一つのシンプルなヒントを取り入れながら、ぜひ積極的に仕事の場面でも英語を使ってみてください。