なぜ中国で早稲田はそんなに有名なのか
早稲田の歴史と中国の深い関係

 なぜ中国人の間で早稲田はそんなに有名で、人気があるのだろうか?

 その理由を確かめるべく、早稲田大学を取材した。応じてくれた国際部東アジア部門長の江正殷氏は「それは早稲田の歴史と中国が深い関係にあるからです」と胸を張る。

 早稲田と中国との最初の関わりは1896年(明治29年)にさかのぼる。この年、清国から官費留学生13人を受け入れ、日本語教育を行ったのだ。1913年(大正2年)には中国人、李大釗が入学。李は後に中国共産党の創設メンバーの一人となった。同じく創設メンバーで、初代総書記に選出された陳独秀も日本留学組で、早稲田の出身だ。

「多くの中国人が、早稲田は李大釗、陳独秀が学んだ由緒ある大学だと認識し、よく知っています。98年に江沢民、08年には胡錦濤という2人の国家主席(当時)が来日しましたが、その際、わざわざ早稲田を特別に訪問して講演を行ったり、卓球の福原愛選手と交流したことなどからも、思い入れの強さがわかるでしょう」(江氏)

 中国政府の指導者が早大を訪れたことは中国でも大々的に報道され、近年、中国での知名度は抜群にアップした。

 中国の歴史教科書では近代史の学習を重視しているが、日本については明治維新について重点的に勉強する。その影響もあって、日本の近代化がなぜ成し遂げられたのかに興味を持つ中国人が多いのだが、その明治新政府で活躍したのが早大の創始者、大隈重信であり、そこで学んだ中国人留学生たちが中国共産党を創設したという"運命的なつながり"は、海外を目指す中国の若者の心をくすぐり、その他の日本の大学と違って、光り輝いて見えるようだ。

早稲田は自由闊達な雰囲気
中国人の奔放な性格に合っている

 早稲田大学修士課程で学び、現在はヨーロッパで働く女性は「早稲田は自由闊達な雰囲気があって、中国人の奔放な性格に合っているような気がしますね。事務室にも英語ができる人が多いし、積極的に留学生を受け入れる体制が整っているように感じます。もし日本一の大学、東大に入れないのであれば、早稲田に行きたいと思う人が多いのは、確かにその通りだと思いますよ」と話す。