お客様に喜ばれる野菜とは?

 日本には、世界中から種が輸入されています。

 ある意味、世界で一番、種のバラエティに富んだ国かもしれません。
 最近人気のイタリアン向け野菜の種も、インターネットでずいぶん手に入れやすくなりました。

 私の近くの直売所でも、その時期に豊作になる野菜が決まっているせいか、少しでも差別化を図ろうと、イタリアン野菜が並ぶようになってきました。

 ただ、野菜セットを15年以上販売してきて思うのは、日本人は意外と食に対して保守的だということ。
 変わった野菜を入れて、クレームがきたことも多々ありました。

 ですから、風来では、スタンダードな定番野菜を中心にしつつ、変わった野菜を入れるときは、調理法や味が想像できるものに限定します。

 たとえば、白ナスやイタリアントマトなどです。

 また、子どもが巣立った夫婦だけの家庭や、ひとり暮らしの方も増えてきたので、いわゆる重量野菜は敬遠され、ミニ白菜やミニキャべツ、ミニ大根など小さめの野菜が喜ばれるようになってきました。この流れは、ますます加速するでしょう。

「硝酸態窒素」の含有量が
低い野菜にこだわる

 私は、これからの時代は、「有機」「無農薬」「無肥料」「自然」栽培などカテゴリ分けする時代でなくなると思っています。

 無農薬栽培をしていた頃に、「なぜ、無農薬栽培しているのですか?」と聞かれたときは、「環境にやさしいから」など、いろいろな理由を答えていましたが、現在では「趣味です」と答えるようにしています。

 農は自然相手ですから、その地域の気候、地形、地質が違ってくれば、結果もすべて変わってきます。

 そんなこともあってか、ちまたには様々な農法があふれています。

 どれが正解だとは一概には言えません。
 ただ、私自身、散々いろいろな農法をやってきて今になって思うのは、農法はあくまで「方法(ツール)」にすぎないということ。

 先に、安全でおいしい野菜が目的と書きましたが、そのひとつの指針として風来では「硝酸態窒素」の含有量が低い野菜を目指しています。

 そういった野菜はエグミもなく、日持ちもするからです。

 それにかなう農法であれば、どんどん取り入れていこうと思っています。