「炭素循環農法」とは?

 就農13年目(2012年3月)からは、「炭素循環農法」(無肥料栽培)に切り替えました。
 その理由は、より安全な野菜を育てたいということと、それまでの農法だと害虫被害が多く、何か違うのではないかと思ったからです。

「炭素循環農法」とは、C/N比(炭素量と窒素量の比率)を上げるために窒素肥料を使わず、キノコの廃菌床やバーク堆肥、緑肥、雑草などを浅くすき込み、キノコ菌などの糸状菌の働きを活発にし、窒素比率を下げる農法です。

 通常、野菜を育てるのに窒素が必要とされているので(化学肥料や有機肥料でも窒素量が一番重視される)、通常の栽培とも有機栽培とも真逆の考え方になります。

 なぜ、そんなことができるのか?

 山の樹は、人間が肥料をあげているわけでもないのに大木に成長しています。

 これは、落ち葉、枯れ木などの炭素資材を糸状菌が分解することで根に養分を与えているから(葉っぱが分解されるときに見える白い菌糸が糸状菌)です。「炭素循環農法」はその考えを応用したものになります。
 と言われてもなかなかピンときませんよね?

 私もそうでした。

 これまでやってきたこととまるっきり違う農法なので、私も最初は信じられませんでした。
 でも、失敗を重ねるうちに、実際に作物が育ってくると、味もよく、安全なものができているので、今はいい農法だと実感しています。
 もちろん、最初から簡単にできたわけではなく、試行錯誤も多々ありました。

 ここでは、風来ならではの「これだけは知っておきたい農業技術全般的なこと」を紹介しましょう。
 風来はまさに少量多品種。1うねごとに野菜が違ってきます。

 また、同じ野菜であっても、リスク分散の観点から場所を変え、時期を少しずらして育てます。

 それができるのは、うねを固定した半不耕起(表面だけ耕す)だからこそ。普通は畑一枚という単位でトラクターで起こして、うねをつくり直します。

 しかし、そうなると小回りがききません。
 うねを固定しておけば、そのうねごとに野菜を切り替えることができます。
 これによって年中切れ目なく、野菜を収穫できるのです。