トマト、ナス、きゅうりなどの
夏野菜の「混植」のコツ

 風来では、野菜セットの販売が基本ですから、できるだけ多くの種類の野菜が必要です。

 そんなとき、限られた畑での強い味方が「混植」です。
 混植とは、ひとつのうねでいろいろな種類を育てることを言います。

 大規模農業だと、そういったチマチマしたことはやっていられませんが、小さい畑ではこのチマチマさがとても大切です。

 混植はいろいろな方法がありますが、風来では、夏野菜の場合、横には、豆科を組み合わせています。

 そのうねのメインの野菜で夏は上に伸びるもの――たとえば、トマト、ナス、きゅうり、ピーマンなど(かぼちゃなどは横に広がり混植に向かない)の脇には必ずといっていいほど枝豆、インゲンを植えています。

 また、秋から春にかけては、にんにくとソラマメ、玉ねぎと絹サヤを組み合わせます。

 肥料分の奪い合いになるのでは?と思われがちですが、豆科は邪魔になるどころか、むしろ肥沃な土にしてくれるので、互いの成長の妨げにはなりません。

 豆科があることで、野菜セットの彩りを増やしてくれるので、見た目にも欠かせない存在なのです。
 考えてみると、自然界では1ヵ所に何種類もの植物が育っています。

 ひとつの植物しかないほうが不自然。多様性という面でも、畑での混植は有効です。

 ただ、気をつけているのが、収穫の終わりの時期をそろえること。
 片方の野菜、特にメインの野菜がもう終わってしまっているのに豆科の野菜があることで、畑の切り替えができなければ本末転倒です。

 たとえば、玉ねぎと絹サヤの混植の場合、春にまず絹サヤを収穫します。
 同時に、葉玉ねぎを収穫。絹サヤがそのまま成長すると絹サヤ自体は食べられませんが、中の種がグリーンピースとして活用できます。

 そして、グリーンピースの収穫の終わり期には、玉ねぎが収穫期になります。

 玉ねぎを収穫すると、そのうねが空くのですぐに切り替え、次の野菜を植えられるようになります。