WHOの健康達成度調査で
1位に輝いた日本の医療

 多くの人が「あてにならない」と思っている日本の医療制度だが、世界では高い評価を受けている。世界保健機関(WHO)が2000年にコスト、アクセス、クオリティから評価した健康達成度調査で、日本は1位となっている。世界一の長寿国でもあり、乳幼児死亡率も世界最低水準だ。

 こうした国民の健康を支えているのが国民皆保険制度だ。

 日本で国民皆保険が実現したのは1961年。以来、誰もが何らかの健康保険に加入し、病気やケガをした場合は日本全国どこでも医療を受けられるようになった。それから半世紀が過ぎ、健康保険は「あるのが当たり前」の空気のような存在になった。それゆえに、普段はありがたみを感じることもないかもしれないが、保険証1枚あれば、誰でもどこでも全国一律の公定価格で医療を受ける国はまずない。かのアメリカですら、いまだ国民皆保険は実現できていないのだ。

 さて、その日本の健康保険だが、保険証があれば医療費の自己負担額が3割になるというだけではない。ほかにもさまざまな給付が用意されており、覚えておきたいのは医療費が高額になった場合の「高額療養費」という制度だ。

医療費が100万円かかっても
最終的な自己負担は9万円程度

 現在、医療機関の窓口では、年齢や所得に応じて医療費の一部を自己負担する。70歳未満の場合は3割だ。では、100万円かかったら30万円支払うのかというと、そんな心配はない。1カ月(歴月単位)に支払う自己負担額には、所得や年齢に応じた上限が設けられており、限度額を超えた分については還付を受けることができるようになっている。

 所得区分は3段階に分かれており、たとえば一般的な所得の人(会社員は月収53万円未満、自営業は基礎控除後の総所得金額が600万円以下)の自己負担限度額は【8万100円+(医療費-26万7000円)×1%】。医療費が100万円かかった場合は8万7430円。いったん窓口では30万円支払うが、8万7430円を超えた分の21万2570円は、申請すれば払い戻される仕組みになっている。