資金繰りに困ったときの貸付制度
入院時の限度額適用認定証を活用

 最終的に自己負担する医療費には上限があるので、この制度を知っていれば必要以上に医療費に対する不安はなくなるはずだ。しかし、高額療養費の還付金が実際に手元に戻るのは申請の3カ月ほどあとになる。

 これは国で定められている医療費請求の仕組みによるものだが、いずれ払い戻されるとはいえ、一時的にでも高額な医療費を負担するのが厳しい人もいる。こうした人には、高額療養費の支給見込額の8~9割を無利子で借りられる貸付制度もあるので、資金繰りに困ったときは加入している健康保険の窓口に相談してみよう。

 また、入院時の医療費は医療機関の窓口で「限度額適用認定証」を提示すれば、3割すべてを支払う必要はなく、最初から定められた限度額の支払いだけで済むようになった。還付申請の手間も省けるので、入院することが分かっている場合は事前に限度額適用認定証を入手しておくといいだろう。限度額適用認定証は、加入している健康保険の窓口で発行してもらえる。

 今のところ限度額適用認定証が利用できるのは入院のみだ。通院で医療費が高額になった場合や多数該当にあたる人は、還付申告が必要なので注意したい。

 病気やケガで入院したときにかかる費用は、実際に経験してみなければ分からないものだ。それゆえに不安を膨らませてしまいがちだが、高額療養費をはじめとした健康保険の保障内容を知っておけば、闇雲に怯えることはないだろう。

 せっかく健康保険料を納めているのだから、自分が加入している健康保険にはどのような保障があるのか確認し、そのメリットを最大限に享受しよう。会社員なら勤務先でもらった福利厚生ハンドブック、自営業なら市区町村のホームページなどを見てみよう。大手企業の健保組合の中には、差額ベッド代の補助が受けられたり、独自の保障を上乗せするなど、手厚い保障を用意しているところもある。

 そうした保障内容を知れば、「健康保険があてにならない」などという馬鹿な考えは持たなくなるはずだ。

 次回は、長期療養が必要な患者を支える健康保険制度を紹介する。