「お金以外に得られるものがありそう」
と感じてもらう

では、逆にこちらからはどんなことを伝えれば、応募者のやる気を引き出すことができるでしょうか?これについては興味深いデータが出ています。

■モチベーションを高める面接の特徴

見てのとおり、「仕事のやりがいや魅力」(1位)や「会社や職場の目標・理念」(4位)の伝達が、モチベーション向上に効果を発揮しています。つまり面接者(店長)自身が、自分たちの仕事にはどんな意味があるのか、どんなところにやりがいを感じているのか、職場全体として何を目指しているのかといったことを、しっかり説明するということです。

ある居酒屋チェーンでは、面接時に条件を伝える際に、「時給はなるべく上げていきたいが、最高でもこの金額までしか上げられません」とはっきり伝えているそうです。そのうえで「だからこそ、あなたには『給料以外のもの』を持って帰っていただけるように、店長として最大限に努力する」と約束するといいます。

このひと言があると、新人ははじめから「『給料以外の何か』もこの店で得たい」というマインドで仕事に向き合えるようになります。もちろん、アルバイトは時給が上がることを望んでいるでしょうし、企業としてもその実現のために最善を尽くすべきです。ただ、スタッフに時給以外の価値にも目を向けてもらい、やりがいを感じながら働いてもらうためには、この居酒屋の伝え方はとても効果的ではないかと思います。

これを機にぜひ店長としても、「この職場が給料以外に何を提供できるのか」を整理してみてください。「ここでの経験を就活でアピールして、内定を勝ち取った先輩学生バイトがいる」とか「主婦仲間の輪が広がって、サークル活動もはじまった」とか、どんなことでもいいと思います。