株式投資を始めてはみたものの「なかなか勝てるようにならない…」「ずっと塩漬けにしたまま…」「手元資金が減っていくばかり……」という個人投資家は少なくない。本連載では、PR会社社長をやりながら、株式投資家としても成果を上げている上岡正明氏が、最新刊『うねりチャート底値買い投資術』(ダイヤモンド社、12月16日発売)の内容をもとに、勝てる投資家になるための考え方や具体的な方法について紹介します。

アマチュア投資家の感覚を軌道修正するところからはじめよう

 スポーツの世界では、日本代表を目指したり、オリンピックで金メダルを取ろうと思うなら、それこそ、日々地獄のようなトレーニングを繰り返し積む必要があります。

 ライバルは、同じ目標をもつプロや厳しい訓練を積んだ精鋭ばかりなので、当然です。

 では、それに比べて、投資の世界はどうでしょうか?

 株の世界で言えば、はじめたばかりの初心者や、リタイア後の趣味の延長ではじめたアマチュアたちが少なくありません。

 そんな人たちと渡り合いながら、株式市場で利益を稼ぐのは、プロスポーツの世界よりよっぽど楽だといえます。

投資家にもヒエラルキーがある。趣味で始めた投資家は初級・中級者が8割を占める。どうせなら上級者をめざそう!
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 少なくとも、私には、そう断言できる理由があります。

 それは、ある水準を超えてしまえば、株は勝てるゲームだから。

 大切なのは、その水準を超えられるかどうかです。

 そのために必要なことは、それほど多くありません。たとえば、いくつか挙げれば、次の5つになるでしょう。

(1)投資家として基本の売買技術を身につけること
(2)銘柄を絞り、得意な銘柄をつくること
(3)勝つ感覚を繰り返し体に覚えさせること
(4)相場は山と谷が交互にくることを知ること
(5)相場を甘く見ないこと

 なかでも、(1)の「基本の売買技術」は、株で稼ぐためにはとても大切な要素です。

 ただ、このように投資の技術を高めましょうというと、多くの人は難しい理論や知識を身につけようと、間違った方向に走ってしまいがちです。

 そして、そのために多くの時間とお金とエネルギーをかけるなど、無駄な努力をしてしまうのです。

 難しいことや理論的なことを覚えるのは各人の自由ですが、それだけでは勝てる投資家にはなれません。それは、技術がないからです。

 当たり前のことですが、技術は、知識や理論だけでは身につけられません。実践を通じて、繰り返しおこなったり、失敗して試行錯誤しながら自分で学ばなければ、身につかないのです。