落ちこぼれ劣等生だった瀬戸は、「健康」をテーマに起業する。悪戦苦闘しながらも「クッキーダイエット」をヒットさせ、売上を100億円にまで持っていく。ところが諸要因により、急成長のあとは急降下。リーマンショックもあり、銀行から掌を返されたような冷たい仕打ちを受け、社員からも見放される、というところに救世主が現れた。
落ちこぼれから一念発起
「健康」をテーマに起業へ
高校時代、学年で400人中399番という成績の落ちこぼれ劣等生だった瀬戸健は、一念発起して猛勉強、明治大学に入学した。学生時代にやったパソコンとその教材を売る営業のアルバイトで、抜群の実績を上げた瀬戸は、24歳(2003年4月)のとき、自然な形で「健康コーポレーション(※)」を起業していた。自分の力をまったく違う分野で試してみたいという気持ちだった。
何をやるか。感謝されるもの、需要があるものと考えていくと、人間の根源的欲求の「健康」に行きついた。現在、日本は医療費35兆円超と巨大な市場がある。手法は訪問販売や通信販売だが、従来の訪販・通販は、商品の金額が高く、ローンを組ませ、売りっぱなしで終わっていた会社が多かった。瀬戸は商品を売った後もフォローし、サポートする会社にしたかった。
(※)M&Aで子会社数が増えた2007年9月、健康コーポレーションの社名を健康ホールディングスとして純粋持株会社化した。同時に新設分割によって、健康コーポレーションを設立、全事業を健康コーポレーションに継承、瀬戸健は、両社の社長を兼務している。
大豆サプリ販売も月100万円の赤字に
従業員2人を泣く泣く解雇
商品化にあたっては、日本で誇れる大豆を使ったものが念頭にあった。そこで2003年6月、大豆の胚芽部分の濃縮サプリを売りだした。しかし、まったく売れなかった。
サプリの売れ行きはさっぱりだったが、おまけに付けていたおからのクッキーの評判が良かった。そこで、豆乳とおからのクッキーを瀬戸の実家(北九州市)のパン屋で焼いてもらい、商品化した。デパートに足を運び、食品売り場の催事場で売らせてもらった。九州の実家から、八百屋でもらった段ボールに詰まったクッキーが届く。それを100円ショップで買ってきた籠に入れて販売した。