さらに12月12日、日本維新の会は、生活保護受給者のギャンブルなどを禁止する法案を提出した(日本維新の会:目指せ法案100本提出)。性風俗やtotoくじも対象となっている。

 ギャンブルをまったく嗜まない私には、カジノができることの問題点が何なのか、マイナンバーカードによる入場規制や法による禁止がその問題点に対して有効なのかどうか、さらに性風俗やクジまでセットにする必要があるのかどうか、そもそも理解できない。

 そこで、生活保護ケースワーカーとしてキャリアを重ねてきたI氏に、基本の「き」から教えていただくことにした。生活保護の現場で、I氏が特に注力していることの1つは、依存症に陥った生活保護の人々を支援することだからだ。

生活保護の人々にとって問題は
ギャンブルをすることより金額

 まず、生活保護の人々を含む低所得層にとって、カジノが日本にできることの問題点は、何なのだろうか。

「まず、どのようなカジノができるのか、今のところは全く見えてきません。海外の富裕層を主な対象にするのなら、影響は限定的だろうと思います。でも、日本人が誰でも利用できるようにすると、深刻な問題が発生するでしょうね」(I氏)

 カジノならではの問題点は何か。

「可能性ですが、生活破綻に追い込まれる方々は現れるだろうと思います。1回の賭け金が高額になりますから」(I氏)

 とはいえ、今の日本では、どこの駅前にも街道沿いにもパチンコ・スロット店がある。その日本にカジノがいくつか増えても、問題はそれほど拡大しないのではないかという気もする。日本に現在、約500万人存在するとされるギャンブル依存症者が、カジノができたら1000万人になったりするだろうか。

「倍増はしないでしょうけど、ギャンブル依存症者は確実に増えるだろうと思います。『パチンコ・スロットはイヤだけど、カジノなら』と、ちょっとやってみる人はいるでしょうね。お酒で『ビールはイヤだけど、ワインなら』というのと同じように。入り口が広がれば、入ってみる人は増えるでしょうし、中には依存症になってしまう人もいるでしょう。ビギナーズラックで最初は勝って、そこでハマってしまって生活破綻、ということにもなりかねません」(I氏)