「まず『カジノ』といっても、米国・マカオ・シンガポールに見られる大規模カジノと、ヨーロッパ型の伝統的なカジノで、全く異なります。大規模カジノには、ルーレットやカードゲームもありますが、マシーンが中心です。マシーンがお金を生み出すので、24時間営業のことが多いです。ヨーロッパ型のカジノは、午後3時からとかしか営業していない、ギャンブルもできる小規模な社交場です」(滝口氏)

 身元確認を行ったり入場料を徴収したりしているのは、主にヨーロッパ型のカジノということだ。しかし例外もある。

「大規模カジノが2つあるシンガポールでは、公的扶助を受ける人の入場が法で禁止されています」(滝口氏)

 該当するシンガポールの法律をチェックしてみると、確かに「破産者・公的扶助を受けている人・6ヵ月以上の家賃延滞または法的支援を受けている人」に対するカジノ入場禁止が定められている。カジノ入場禁止は、自ら申請することも家族が申請することもできるが、前述の人々に対しては自動的に禁止される。

「ギャンブルが生活に問題を及ぼさないのは、生活費の2%まで。貧困層の方々は、ギャンブルはほとんどできないことになります。ですから、私はギャンブル以外の楽しみを勧めます。ただ、法で禁止するのはどうだろうかと思います。日本国憲法で保障された、最低限度の『健康で文化的な生活』の『文化』には、ギャンブルを含め、娯楽が含まれていますから」(滝口氏)

 いずれにしても、日本で考えられているカジノのイメージは、ヨーロッパ型の「ギャンブルもできる社交場」に近いだろう。しかし圧倒的に多いのは、数多くのマシーンが並んでいるカジノだ。カジノについて議論するならば、まずどういうカジノなのか、イメージを共有する必要があるだろう。

「貧乏人は入場禁止」以外にも
カジノには数多くの対策がある

 では、低所得層を排除すること以外に、対策はないのだろうか。

「あります。北欧などでは、自分でギャンブルの時間と金額の上限を設定するシステムになっています。上限が来ると、マシーンがストップするわけです。さらに事前登録制で、お金は自分の口座に振り込まれたり、そこから引かれたりします。他人の名前でギャンブルをして勝っても、勝ったお金は、その人の口座に振り込まれます。また、自然光を店内に採り入れて、『もう夕方か』とわかるようにするという方法もあります」(滝口氏)