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VR、ARから食べ物まで
2017年注目の5大テクノロジー

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第419回】 2017年1月10日
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(3)IoTに変節?

 何年も前から話題になりながら、なかなか本格化しないIoT。ことにスマートホームや家庭用IoTデバイスでの問題点は、標準化や互換性だとされている。無数のIoT製品が出ているもののそれらを統合するしくみが欠けており、ユーザーにとってはまだ使い心地の悪いものに留まっているということだ。

 もちろん、IoTをハブ化しようという試みがいくつもあるが、ごく普通の消費者にとっては非常にわかりにくい業界構造になっている。それを解決するのが、ホームAIデバイスのアマゾン・エコーやグーグル・ホームだろう。面倒な設定なしに、複数のIoTデバイスを音声でコントロールできるようになったり、IFTTT(異なるウェブサービスを連携させるしくみ)を介して簡便化したりすることが可能になる。これによって、IoTが躍進すると今年は期待される。

(4)環境がセンサーに

アマゾンのレジなしスーパーは現在従業員向けテスト中。名称はポケモンGOならぬ「アマゾンGo」(https://www.youtube.com/watch?v=NrmMk1Myrxc)。
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 2016年末に明らかにされた、アマゾンのレジ不要食品スーパー構想。これは、店舗空間がセンサー化することを教えてくれた。カメラや、人の動きや商品の重さをモニターするセンサーの働きで、レジに並ぶ待ち時間や面倒な支払いなどの手間が省ける。

 かなり先進的な試みとは言え、こんなスーパーが実現するとその波及力は大きいだろう。他の小売店鋪でも同様の取り組みが見られるようになるはずだ。また、小売店鋪に限らず、オフィスや住宅でもセンサーを利用したモニターのしくみが広がる可能性もある。

(5)生物学とテクノロジーの連携

 テクノロジーがリアルな世界に影響を及ぼしている、その最先端は生物学や食物の分野だ。生物学では、微生物への関心が高まっており、これをテクノロジーで操作したり生成したりする技術が注目を集めている。

 一方、食品に関わるフードテック分野でも今まで見たことがないような食物生成の方法が生まれている。植物性のたんぱく質から肉を作るような技術はもとより、合成生物学や細胞エンジニアリング分野では生体高分子から食物を生成するというアプローチが試みられている。すでにそうした開発を行うスタートアップもいくつかある。人口減少や地球温暖化への対処としても有効だと思われている研究だ。自然の恵みと考えられてきた食物にもテクノロジーのブレークスルーが見られるのが、2017年となりそうだ。

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瀧口範子
[ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。

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