2月某日、お台場にエコカー3台が顔を揃えました。電気自動車の日産リーフ、プリウスよりも小型のハイブリッド車であるホンダ・フィットハイブリッド、高効率ガソリンエンジンを搭載したVWポロ1.2TSIです。
今週の『週刊ダイヤモンド』の巻頭特集は、「エコカー 加速!!」です。特集するからには、実際に乗って実力を知ろう! ということで、箱根ドライブ旅行と相成りました。
電気自動車はエンジンがないため、ガソリン代が不要。究極のエコカーとして高い期待を背負っていますが、3大ネガティブ要素として短い走行距離、インフラ整備、高い車両価格が普及の壁となっています。箱根旅行では、その電気自動車の実力をしかと体験。電池の減りが激しくなる上り坂を突破できるか? 珍道中をレポートしています。
電気自動車を販売する日産自動車、三菱自動車も徹底取材しました。三菱自動車は100万円台の電気自動車を投入する!? 詳細は本誌をご覧下さい。
フィットのハイブリッド車は、トヨタ自動車のプリウスにインサイトで完敗したホンダが投入したものです。一方で、トヨタも年内にプリウスの派生車種を発売します。ハイブリッド車の覇権をめぐる戦いの第二幕に迫りました。両社の戦いはハイブリッド車に留まらず、代替燃料として電気も利用するプラグインハイブリッド車にも続いていきます。
ただし、彼らのライバルは日本メーカーだけではありません。たとえば欧州ではハイブリッド車よりも、直噴やターボを付けてエンジンの効率を高めたエコカーが人気です。ポロに搭載されたTSIがまさにそれ。箱根旅行はハイブリッド車対TSIも見ものとなりました。
特集では、「実燃費ランキングベスト50」「コストパフォーマンスランキングベスト50」も発表。実燃費トップはやはりプリウス。唯一、リッター20kmを超えました。
かつて日本の家電メーカーは、韓国や中国製品を品質が悪いと侮っていましたが、韓国や中国は安く大量に売って規模をまず拡大させ、その後に技術開発やデザインに再投資して日本メーカーを追い抜きました。同じことが自動車で起きないと、誰が保障できるでしょうか。
韓国の現代自動車は、日本メーカーの収益源である北米で快走し、新興国開拓ははるかに素早い。低価格なクルマの市場には新興勢が続々と参入しています。日本メーカーはいったい何を強みに、どこで勝負すればいいのでしょうか。バブル時代に稼ぎまくった大型車でしょうか? 高級車でしょうか?
最も実力が発揮されるのは、最先端エコカーではないでしょうか。先行してきたこの分野こそ、日本メーカーの本命です。その周りには、自動車メーカー以外にもさまざまな異業種が集まり、新たな市場を形成しつつあります。日本メーカー8社の「エコカー開発度リスト」「異業種参入リスト」はいずれも要チェックです。
新しいクルマを買いたい諸兄には、新車スクープ雑誌『ニューモデルマガジンX』が大胆予想する新車デビュースケジュールも活用ごください。
本当に凄いエコカーは何か? 硬軟取り混ぜて、エコカーの真実をお届けします。
(『週刊ダイヤモンド』編集部 臼井真粧美)