キャリアコンサルタントも同様です。「クライアントのキャリア上の課題を解決することを支援し、納得のいく解決に導くこと」と「クライアントのキャリア上の課題発生を未然に防ぐことを支援し、予防すること」がその成果と定義することができそうです。

 成果を出すことが求められるのがプロフェッショナルです。そして、プロフェッショナルにはその上位概念である、“良きプロフェッショナル”が常に存在します。

 これまでと同じように、医師を例に“良き医師”となるものを考えてみました。医師の職業倫理観を表したものとして名高いのが「ヒポクラテスの誓い」です。さらにこれをベースに、現代の医師のヒポクラテスの誓いともいうべきものが存在します。

 それが、世界医師会(WMA;World Medical Association)が1948年に出した「ジュネーブ宣言」です。

 長いものなので、そのままではないですが、『私は、人類への奉仕に自分の人生を捧げる、師に対して尊敬と感謝の念を捧げる、良心と尊厳をもって医療に従事する、患者の健康を第一の関心事とする、患者の秘密を厳守する、同僚の医師を兄弟とみなす、そして力の及ぶ限り、医師という職業の名誉と高い伝統を守り続けることを誓う』といった内容です。

 ここで重要なのは、「患者の健康を第一の関心事とする」という箇所ではないでしょうか。「医師は、患者の健康、すなわち心身の正常な機能の維持のために、ありとあらゆる努力を傾け、最善を尽くす」ことを意味すると私は思います。

 そう、重要なことは、「プロフェッショナルは最善を尽くす」ということなのです。

 最善を尽くすとは、狭い枠にはまらず、目的追求に邁進することでしょう。すなわち、良き医師は患者の健康という目的のために、狭義の診療行為のみならず、診察室を出て、広く社会的活動にも携わるものなのだ、という考え方になるわけです。

キャリアコンサルタントが
真のプロフェッショナルとして求められること

 ここで、キャリアコンサルタントの仕事について再び考えてみましょう。キャリアコンサルタントはクライアントからさまざまな相談を受けます。

 典型的なものとしては、「転職したい」「自分の適職を知りたい」「今の職場を離れたい」といった、直接的な“コト”としての課題(悩み)でしょう。もう少し深掘りすると、たとえば「転職したいのは、自分としては高みを目指してキャリアアップしたいからだ」といったように、課題がパーソナライズ(一人ひとりの行動などに基づいて最適化されたものを提供)され、“ヒト”としての課題(悩み)になります。