そのため同病院では、津波の被害からいち早く立ち直った“町のお医者さん”である地元開業医や病院と連携し、症状の軽い患者の治療を担当するよう呼びかけている。

 1次救急を“町のお医者さん”に任せて、2次救急や3次救急に対応できるようにするためだ。

 また、今回の大震災は津波による被害が大きい。

 そのため阪神・淡路大震災のように切り傷や骨折など、外科系領域の患者はそれほど多くない。がれきの山から救い出した被災者にその場で心肺蘇生や救命措置を施さなければならないような急性期医療のニーズは減り、慢性期疾患を抱えた患者を治療する段階へと移行しつつあるのだ。これらの状況を踏まえ、これから災害地で医療活動をしようと考えているチームに向けて、次の3点の情報を伝えたい。

災害医療①
情報収集の重要性

 身分証などを持っていない避難所の被災者たちにも、処方した薬を間違いないように届けなくてはならない。

 また、第3回の連載でも書いたように、すべての被災者が避難所にいるわけではなく、半壊した住宅の2階で生活を送る被災者もいる。

 石巻赤十字病院はおろか、災害対策本部や行政でも、まだそれらの情報を十分に把握していないのが現状だ。

 そのため被災地では、被災者たちの情報収集に最も力を入れている。調査シートを用意して、現地の情報を体系的に収集して管理しようとしているが、完璧に機能しているわけではない。そのため我々のような災害医療チームには、治療とともに医療に関わる情報収集が求められている。