1億円のマイホーム売買なら
仲介手数料は「せいぜい30万円」

 では、不動産業者との話し合いを通じて仲介手数料を決めることになったとして、いくらくらいが妥当なのだろうか。

 これもあくまで私見だが、資格取得の難易度や取り扱う業務の複雑さ、専門性から考慮するに、税理士や司法書士より、宅地建物取引士の報酬が高い状況は、いささか納得がいきにくい。「相手との交渉があるし、税理士などのいわゆる『代書屋』より報酬は高くていい」と主張するとしても、土地家屋調査士だって隣人との折衝があるわけで、不動産の評価を決めるために手間が多い不動産鑑定士の報酬より高いのは、やはり違和感がある。

 そう考えたとき、税理士や司法書士の報酬と、土地家屋調査士や不動産鑑定士の報酬の中間くらいがふさわしいように感じられる。たとえば1億円までのマイホームの売買なら、上限として30万円くらいが「妥当」な額ではないだろうか。

 なお、報酬について話し合う場合に不動産業者にお願いするタイミングだが、可能ならば彼らから物件を紹介してもらう前がいいだろう。つまり、店に初めて足を運んだ日など、具体的なやりとりを始めるときだ。

 もし「その仲介手数料では対応いたしかねる」という回答があったなら、すぐに別の不動産業者へ行こう。世の中には、すでに仲介手数料半額、それどころか無料を謳う業者まで登場している。業者同士の競争が激しさを増す昨今、消費者のニーズに即して、むしろ不動産仲介料は、これまでの「物件価格×3%+6万円」から「30万円」へ向かっていると言って間違いない。

【心得(2)】ブームの「タワマン節税」
今後はこれまでのようにはいかない?

 第二に、固定資産税や相続税の節税を目的に不動産を売買する際の落とし穴をお伝えしよう。不動産といえば、ここ数年、現金を都心のタワーマンションの高層階の1室に変えるという「タワーマンション節税」、いわゆる「タワマン節税」が流行していた。

 多くの方はご存じかもしれないが、そもそもマンションの相続税を計算する場合、建物部分は固定資産税評価額が適用され、実際に売買される公示価格から見て50~70%程度の評価額になり、土地は路線価評価で70~80%ほどになる。固定資産税評価額はマンション1棟の評価額から、部屋ごとの床面積で割って計算され、そこでは眺望などの価値は考慮されない。つまり、売買される価格が高い傾向のある高層階だろうが、低い傾向のある低層階だろうが、「同じ床面積なら、固定資産税評価額が同じになる」という考えを用いた節税方法だ。